法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『STEINS;GATE』雑多な感想

自由肯定論的にパラレルワールドへ分岐していくタイプの時間SFと、決定論的にループする時間のつじつまを楽しむタイプの時間SFの組み合わせ。パラレルワールドを移動することで、より良きループが生まれる世界へと移動する主人公の物語。
1クール終了ごろを折り返しにして、さかのぼるように伏線を昇華していくシリーズ構成は綺麗だった。結末と起点が綺麗に対応する。しかし連続TVアニメとしては、物語前半多くが、作中設定の整理と説明に費やされたことが少し苦しかった。前半1クール目は、原作ゲームのファンから応援されることと、アキバネタでサービスしながら本筋を進めていくことに四苦八苦といったところ。
最終的に平易かつ納得できる時間SFとして楽しめたものの、視聴者がSF設定をどこまで理解できるか、あるいは知識として持っているかということを手探りで進めていた感も大きい。『ドラえもん』の普及ぶりを思えば、もっと早く時間移動SFらしいパートへ突入しても良かったんじゃないかな。


映像は意外と終始安定していた。動きの少ないアニメであったので見せ場は少なかったが、微妙なニュアンスが求められるキャラクターデザイン*1ながら、うまく乗り切ったと思う。
あまり語られないコンテ演出も、動きの少ない画面をよく保たせていた。

*1:助手の顔がよく話題にされたが、個人的には細い頭身のバランス取りが難しそうに感じた。一歩間違うとCLAMPキャラクターみたいになりそう。