法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『バトルスピリッツ ブレイヴ』第28話 倒せ、ブレイヴキラー!冥王神獣インフェルド・ハデス

第11話でダンと戦ったラーゼが再登場。理想を追い求めた結果、植民地主義者でありつつも穏健路線だった領主バルガダにつくことをやめて放浪したことが語られ、はるかに暴虐な獄龍隊に入ってダンの前に立ちふさがる。
『バトルスピリッツ ブレイヴ』第11話 花嫁を救え! 黒翼竜バーン・クロウ!! - 法華狼の日記

敵領主の描写で、穏健な統治を行うからこそ悪質な征服者という問題が描かれていたことは素晴らしかったし、それゆえ合理的かつ冷静にふるまうキャラクター性もよく表現されていた。

バルガダは今回もダンから「憎めない」と評されつつ、他の主要登場人物からは支配者視点の理想にすぎないことがきちんと指摘されている。バルガダは猿のような外見ながら人間の娘へ結婚をせまったり、当時は部下だったラーゼも鎧から見える素顔は人間そっくりだったり、人間と魔族が同じ遺伝子を持つ生物を予期させる話でもあった。不思議と印象に残る話だったが、真面目にシリーズ構成上で重要な回だったようだ。


互いの信念をぶつけあうドラマと、二転三転するカードバトルが同調していて、いやおうなく話が盛り上がった。そうして互いの強さを認めた流れがあるからこそ、さして珍しくない幕切れが、ちゃんと暴力的に感じられる。
ダンを勝利へ導いた新カードも、ブレイヴキラー対抗策にとどまらずブレイヴのタイミング選択肢を増すという応用がききそうな能力であり、今後のバトルも面白くなりそうな期待が持てる。