法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『STAR DRIVER 輝きのタクト』第十一話 サイバディの私的活用術

第三話*1と同じ流れで同じ場面を展開しながら、モノローグや回想を多用してキャラクターの背景事情を掘り込んでいく。
「ずっと見ているのは好きだから」という言葉は、タクトを見るマリノだけでなく、その直前のカナコに対するシモーヌにもかかる。そうして自分自身の心情をふくめて人を騙し騙されながらも、敵味方ともに人を信じ協力していく。そしてサブタイトルの意味が全く違った印象を持つようになった後、はぐらかす形で物語が閉じられる。


他の回に描かれた出来事も組み合わさっていき*2、多くのキャラクターがディスコミュニケーションしながら、読み解くことが難しい物語ではない。
映像は平易な演出と安定した作画で貫かれ、特に絵で奇をてらっていないからこそ、緊密に構成された物語の良さを素直に楽しむことが出来た。

*1:http://d.hatena.ne.jp/hokke-ookami/20101017/1287433326

*2:結末でカナコがシモーヌに対して騙していた動機をはぐらかすように語るが、そうして演じることの楽しみをあえて語る姿は第十話でも描かれていた。第八話の描写を受けて、複座型の意味を描いたことは、ロボットアニメとしての面白味にも繋がった。