キャラクターデザインの湯本佳典が作画監督を担当。引いた手札で主人公を威圧するバンテーラの凄絶な姿、消え行く思いを乗せた芝居が、よく描かれていたと思う。
作られた存在バンテーラが主人公との戦いや対話をへて、自我を生んでいく展開は単純に好みだ。異界王の書き込みが甘いということもあるかもしれないが、作った側より作られた側にこそ複雑なキャラクター性があるという構図は面白い。
バンテーラ達がカードバトルで倒されることも敵の計画通りという結末は唐突、かつありきたりな展開なので最初は首をかしげたが、主人公の台詞で思い返してみれば、なるほど伏線と感じられる描写は確かにある。
初回と同じ現実世界に主人公が戻ってきた様子から、地球各地が普段とは正反対の環境へ改変された映像まで、一気に物語の舞台を変えたビジュアルも悪くなかった。