法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

「まおゆう」に頻出する「にこっ」について少しだけ

まだ作品全体について書く余裕もないし、いくつかの問いへの返答も遅れているが、少しだけ。
主人公格のキャラクターが笑顔を見せて相手を無意識的に篭絡する描写を、二次創作界隈のジャーゴンで下記のように呼ぶと記憶していたので、検索してみた。
http://bellcard.hp.infoseek.co.jp/yougo.html

ニコポ

最強キャラ型の主人公が時折持っている能力で、ニコリと笑顔一つで異性の顔をポッと赤くさせて自分の虜にしてしまう。
この能力保有者は殆どの場合において自分に向けられる恋愛感情に対して鈍感であり、この能力を自覚していない。
正に歩く一目惚れ製造機。悪く言うと手抜きハーレム仕様。
分家としてナデポ(異性の頭をなでなですることで篭絡してしまう)というのも存在する。

「ニコポ」は知っていたのだが、「ナデポ」という言葉まで存在するとは知らなかった。そういえば「まおゆう」も序盤から魔王が勇者を撫でて篭絡していたし、以降も何度となく頭をなでる場面が登場する。
「まおゆう」の「にこっ」はシナリオ形式という制約により、「地の文」の代替として多用されている面もある。時に「手抜き」とされる描写であっても、逆にいえば展開の速さを生んでいるとも考えられる。そもそも、小説の作法とは守れば絶対に良くなるというものではなく、あくまで経験則にすぎない。
いずれにしても「まおゆう」は、「魔王勇者」というジャンルだけでなく、様々なWEB小説の文脈上に存在しており、単独で評価しようとすれば読み違えてしまうのではないかと思っている。