赤塚不二夫の特徴を示す*1代表的な作品を収録。もちろん個々の赤塚不二夫作品も面白いが、作品を解説する鼎談が赤裸々な内容で楽しい。
鼎談では、他の追悼報道では触れられることが少なかった作品裏話について、赤塚不二夫スタッフだった漫画家三人が愛情を込めて語っている。つまり、赤塚作品において、どこに他人のアイデアや絵が入っていたか詳細に語られているわけだ。なにぶん記憶があいまいな部分も多いが、鼎談なので互いに誤解を指摘しており、信頼性は高いだろう。
個人的に興味深かったのが、高井研一郎氏*2による、以下の証言*3。イヤミの「シェー」が流行する前、新宿御苑の芝生で「シェー」をする罰ゲームを行った時の話だ。
チンチロリンじゃわからないと思ったので、この前、ジャンケンに替えて別の雑誌で話しましたけど、じつはチンチロリンなんですよ。
細かい部分ではあるが、サービスのつもりで事実と少し違う証言をされるところは、読者として困るところ。マンガ史に限らず、珍しくないことではあるのだが。
「ココロのボス」のモデルについても語られる*4。古谷三敏氏*5によると「何とかのココロってのは実はレッドスネークカモーンのあの人(注/ショパン猪狩氏)です。あの人が好きで、それをいただいたんです」とのこと。こちらは以前の情報*6と矛盾しているわけではなく、あくまで語尾のモデルということらしい。