加藤議員が指摘する北朝鮮外交の問題点に対し、妙な反発が起きていることをhagakurekakugo氏の記事*1で知った。
痛いニュース(ノ∀`) : 自民・加藤紘一「拉致被害者5人は北朝鮮に戻すべきだった」 - ライブドアブログ
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2008年07月08日 hagakurekakugo 北朝鮮 誘拐犯がどうのとか言ってるが、交渉途中でその誘拐犯に「コイツとは交渉出来ない」と思わせたら負けなんだけどな。ネゴシエーター見れ。
ブックマークでhagakurekakugo氏らが指摘している通り、相手が凶悪な誘拐犯だからこそ加藤議員の指摘に妥当性がある。
身代金誘拐が起こった時、犯人からの電話に警察が出て、身代金を払わないという宣言を毅然と行い、二度と誘拐犯から電話がかかってくることはなかった……などということがあれば、警察を絶賛するのかな、加藤発言を否定する人達は。
人質が複数いる状態でたとえるなら、立てこもり犯が交渉役として寄越した人質を返さず、それで交渉が打ち切られた状態……といったところか。
さらに、自由のない環境ではあっても、立てこもりと違って生命の危機は当面ない。拉致被害者は長年にわたって北朝鮮で生かされてきたのだし、一時帰国させて公式に存在を認めた以上、北朝鮮に戻したからと即座に殺されるということもないだろう。むしろ私は、情報が停滞したことによって、残った拉致被害者の安否が不明瞭なままとなり、北朝鮮の自由度が増したという懸念を持っている。
拉致被害者を全員一時帰国させた瞬間に確保するというのならともかく、目先の被害者にこだわって残りの被害者を切り捨てる結果に現状なっていることくらいは認識するべきだろう。
はてなブックマークでは被害者の存在を盾にした意見も目立つ。
2008年07月08日 pandaman385 これはひどい, 痛いニュース(ノ∀`) 『拉致被害者ご本人そのご家族の目の前で同じこと言えるのか???』同じことが言えたなら、この発言を認めよう。たぶん絶対に無理。
しかし、拉致被害関係者の蓮池透氏も、北朝鮮との約束を反故にしたことが交渉手法として誤っていたという見解を雑誌『世界』で語っているという。
『世界』の蓮池透氏のインタビューまとめ - 解決不能
勝手に被害者の心情を代弁することの問題は、もう少しばかり自覚するべきだ。少なくとも被害者は一人一人が別個の人間であり、多様な考えを持っていることくらいは、念頭に置いてほしい。
刑事事件に厳罰を要求する主張の多くと同じく、被害者の気持ちを尊重するという建前で自分の暴力性を満足させたいだけではないか。