法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

安倍晋三議員はA級戦犯の孫という微妙すぎる話でなく、本人が問題

犯罪者の子は犯罪者としてあつかわれる美しい国 - 法華狼の日記に対して[twitter:@hate_sayo]氏がツイートしているのを見つけた。ツイッターからはてなidコールできるのだから、通知してくれればそれだけ早く返答できるのだが。

「どうせ言い訳して」といわれても、たとえば以前に私が批判した時、態度問題にすりかえて内容批判に応じなかったのはhate_sayo氏だったと思うのだが。この時は批判が早かったことをもって態度批判へ結びつけていたが、応答が遅れた今回はどう応じてくれるのだろうか。
態度だけではなく内容も批判してほしい - 法華狼の日記
さて、A級戦犯の孫というので東條由布子氏のことかと一瞬思ったが、安倍議員のことか。岸信介A級戦犯として逮捕されているものの、不起訴となって公職追放されただけですみ、むしろ戦後に政治家として復活して以降が問題視されている感覚がある。実態として日本政治への影響力も戦前より戦後が大きかっただろう。
あまり安倍議員がA級戦犯の孫として低評価される機会はないと思うのだが。父親の安倍晋太郎議員が左派からの評価がわりと高いこともあって、やはり批判される場合は安倍議員本人の行動へ向けられる例が多いと感じる。


ちなみに、安倍元首相自身が菅直人現首相の献金報道に追随していることは注意しておく。しかも報道記事で切り取られた発言ではなく、「ZAKZAK」の連載コラムにおいて確認できる。
【安倍晋三の突破する政治】菅首相には国益という観点がまったく感じられない - 政治・社会 - ZAKZAK

 現在、永田町や霞が関の関係者が首をかしげているのは、前回のコラムでも取り上げた、菅直人首相や民主党北朝鮮絡みのスキャンダルを、産経新聞夕刊フジなどを除く、大半のマスコミがほとんど取り上げないことだ。この現象は異常ではないのか。

 このスキャンダルは、菅首相をはじめとする民主党の国会議員や地方議員の資金管理団体などから、拉致事件で国際手配されている森順子容疑者と、よど号ハイジャック犯の故田宮高麿元リーダーを両親に持つ長男が所属する政治団体など3団体に、2億円以上が政治献金されていたもの。

 団体の機関紙には、田宮元リーダーや、よど号ハイジャック犯で拉致事件でも国際手配されている魚本(旧姓・安部)公博容疑者も寄稿しており、北朝鮮や旧赤軍派の広報紙的役割を担っていた。そして、政府の拉致問題対策本部長である菅首相もかつて寄稿していた。

 法律以前の問題であり、拉致被害者横田めぐみさんの母、早紀江さんは「何を信じていいのか分からない。政府を信じていいのか…。吐き気がする」と話していたという。小泉純一郎元首相も「同じことが自民党の首相で起こったら、直ちに総辞職ものだ」と語っていたが、私も同感だ。

このように安倍議員自身が主張しているのだから、一族係累に罪がおよぶ発想は安倍議員へ返っていくと考えるべきだろう。
それにしても「ZAKZAK」へ寄稿した文章に政治団体機関紙への寄稿の批判があるのは、なかなか奇観ではある。


そして、首相時代の岸信介へ交渉に向かった日系人議員が、驚くべき主張で希望をしりぞけられたという体験談もある。
『ETV特集』日系アメリカ人の“日本” - 法華狼の日記

将軍の時代そして明治時代から、外務担当者は伝統的に貴族の出の人達です。現在でも閣僚になるような人達の家系をたどってみると、その多くが裕福な家族だったり、侍だったりなど、名士の出であることがわかります。しかし日本からアメリカ本土やハワイなどに移民した人達のほとんどは、日本では経済的脱落者でした。

イノウエ議員は「もし日本で成功をおさめ、家族を養うことができている人だったならどうでしょう」とたずねたらしい。
対する岸首相の返答はこうだ。

よほどの冒険家で外へ飛び出したかったという人でないかぎり、日本を離れることはなかったはずです

この件については、正直にいって安倍議員へいささか同情せずにはいられなかった。その同情は安倍議員本人の心情を忖度した身勝手なもの、と批判されるなら甘んじて受けるべきかもしれない。意図とは違うだろうが、先んじて「言い訳」を封じようとしてくれたhate_sayo氏に感謝しておく。
だが、このような逸話を知っているからこそ、罪が一族係累におよぶという主張は批判しなければならない、そう私は強く思うのだ。