法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

弁護士には向かない職業

かなり前の話だが、12月12日TBS系ワイドショー『ピンポン!』で、宮崎哲弥氏が橋下徹弁護士を「面白い」「風雲児」と府知事に推していた。


宮崎氏は、いくつかの根拠も出していた。
「たとえば日弁連っていうのは弁護士にとってかなり絶対的な組織なわけですよね。これに対して徹底的に批判するの。私はね、ここまでね、日弁連を批判する弁護士を見たことがない」
「たとえばその、旧来型の人権派弁護士っていうものに対して、もの凄く批判的なんです」
そして「風貌もさることながら、この発言の内容という……旧来の弁護士像というものをまったく塗り替えたという面ではね」大阪府政にしがらみがあっても断ち切る力があるという。
一応、「半分冗談なのかもしれないけれども」と付言しつつ、橋下弁護士核武装論者であることや、徴兵制支持者であることにもふれていたが*1


ところで同じように、あるいは橋下弁護士以上に日弁連(会長)と対立した経験があり、古い人権派弁護士を批判する弁護士が一人いる。業務における豪腕ぶりにも定評がある。
しかし、ある意味では、橋下弁護士よりも政治家に向いていないだろうと思える人だ。
http://moura.jp/scoop-e/chokugen/special/060607/s01/content01.html

確かに中坊自身は「人権派弁護士」の部類に入っていたんだろうと思いますが、彼は、それを最大限利用して、日弁連の会長に上り詰め、次に日弁連会長という経歴を利用して国策会社である住管の社長とか内閣の特別顧問に転身したんですね。職業としての身売りですね。
しかし、彼がそのような転身をするのと、「人権派弁護士」が瓦解するのは軌を一にしていますね。彼らの多くが中坊の住管にくっついていたんですね。彼らは、いきなり、国家側に立って、警察・検察・裁判所という国家権力の最たるものである治安システムを存分に利用して借金の取り立てに回るんですよね。

http://moura.jp/scoop-e/chokugen/special/060607/s02/content01.html

戦後60年のぬるま湯の中でね、人権の中身が変わってしまったんですね。実は、人権というのは正義にも不正義にもあって、誰からも尊重されるとされていたんだけど、不正義には人権はなくなり、次に少数者・異端者にも人権はなくなり、遂には、人権そのものが、誰からも侮蔑され切り捨てられる存在になってしまったんだよ。人権は、ダサイし、胡散臭いし、邪魔なんだね。

http://moura.jp/scoop-e/chokugen/special/060607/s02/content02.html

議論を振ってしまって申し訳ないんだけど、「人権」という言葉に何を呼び込んできたかということも重要なことだったと思うよ。今、日本の中でこれほど人権が蔑まれている理由の一つに、人権の中に何も折り込んでなかったし、その中へ何も実現しようとしなかったことがあるんじゃないかと思う。

http://moura.jp/scoop-e/chokugen/special/060607/s02/content03.html

でも、僕は今回、不思議なことに新潮には批判されてない。なんでだろう?。やっぱり、僕は「人権派弁護士」ではないんでしょうね。

そう、安田好弘弁護士である。
宮崎哲弥氏の論理にしたがえば、橋下弁護士より政治家に向いているといえるだろう。政治家に向いていない部分があるとすれば、自身の職責に対して愚直なまでに真摯というところくらいか。


さておき、この直言増刊「検察国家日本を斬る」は現在の目で見ても面白い。掲載されたのは一年以上前の企画だが、今になってこそ感じる部分もある鼎談なので、一読を勧める。
最高裁に欠席する葛藤が率直に語られていたり*2、安田弁護士の生な発言は珍しい。講談社サイトのページでありながら知名度が低い様子も、ネットにおける情報流通の問題を感じさせる*3

*1:しかしあくまで一知事は外交と無関係というフォローは疑問。大阪府知事が外交に全く影響を与えないとは思えない。

*2:http://moura.jp/scoop-e/chokugen/special/060607/s06/content01.html

*3:はてなブックマークも2ケタすらついていない。