「フンッ、今さら来たって遅いんだからね!……い、いちおう帰れるかどうか聞いてみるけど」
「そう、そんなに私と別れたいの。わかったわ、代わりに毎年千人あなたの国の民を殺すから」
ツンデレ風味イザナミ*1。……我ながら萌えない。
愛と欲望にいろどられたギリシャ・ローマ神話などに対し、記紀は膨張政策の色合いが濃いため、萌えに繋がりそうな神話は少ないと思う。せいぜい女神のストリップで女神を誘い出したり、女装美少年が尻に刺したりという展開が有名なくらいか。
海彦山彦あたりはスペクタクル展開に異種族間恋愛まであって構造的に最近のライトノベルにも負けないが、かなり全世界に分布した内容なので日本独自という気がしない。
無駄な前振りはさておき。
『萌ゆる神の国!』の細かいレビューがあったので紹介する。
2007-10-13 - スピリッツ・オブ・リズム
「日本の皇室が世界の王室の中で一番長い歴史を持つ」「戦争放棄を謳った憲法9条は非現実的でナンセンス」「日中戦争、太平洋戦争は自衛戦争だった」「周辺国が持ってるから、日本も抑止力としての核を持つべき」等々眉唾もの、つか、短絡的な主張が並んでるうえに、アイヌや琉球の征服と抑圧、沖縄戦といった都合の悪い歴史には一切触れてない。そもそも使ってる史料が物凄く偏ってるぞ。“つくる会”の関係者なら涙流して喜びそうな内容だな。
……公式の煽り文句からして疑問だったが、実際に読むとさらにひどい内容らしい。予想*2通り、日本の成立について語りながらアイヌや琉球にも触れていない様子。
太平洋戦争どころか日中戦争まで自衛と位置づけるとは、どうにも真面目な保守派からも激しく批判されそうだ。
コメント欄で書籍を擁護する書き込みがまたとんでもない。
私も読みましたが 『「諸君」「voice」「正論」などの右側の雑誌を読んでいると普通に出てくる話題ばっかりですので、
右側から見ると「眉唾」というほどおかしいものでもないんですが。
やはり左翼側の方から見るとそう感じられるのでしょうね。』
『諸君』『voice』『正論』で普通に書いてあるのでは、あまり擁護にならないと思う。
右側*3や左翼側という分類でなく、どれくらい専門的な見地から妥当性が認められているかを示すべきだろう。
こちらは、古代史的な面からの指摘。
[萌ゆる神の国!] 日本人のルーツって?: biac の それさえもおそらくは幸せな日々@nifty
古い資料を用いているため、入門書としてさえ粗雑な様子。
*1:正確にはヤンデレあるいはツンギレと呼ぶのかもしれないが、よく知らない。
*2:http://d.hatena.ne.jp/hokke-ookami/20071019/1192836215
*3:右翼側と表記しないあたりも色々と感じるところがある。