法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

高度に発達したアニメ演出は手抜きと区別がつかない

「最近、ネタを使って誹謗中傷し、反論されたらネタだといって批難から逃げる態度をよく見るんだけどさ」
「全部ネタなのか、言い回しにネタを使っているだけか、最初からネタと示しているのか、区別は必要だろ」
「でもネタにマジレスされるのも普通のことと思うよ、ネタも書く側としては」
「まあ、自覚してなくても、だいたいネタってのは原理的に不快感をもたらしやすいもんだな」
「『ニホンちゃん』とか、初期を読んでいたけど真面目なドイツ人が怒りそうだと思ったもんだよ」
「韓国人じゃないんだ?!」
「だからさ、こんな替え歌で、君の好きなアニメがバカにされたらどう思うかって聞いてみようと思ったり……」

アニメじゃない アニメじゃない 紙芝居
画ニメじゃない(画ニメてナニ?) 放送事故さ〜

「誰もが何度も思いつく、ありきたりのネタだな……」
「いやあ、書いてから思ったけど、たぶんこれでバカにしても許されそうな気がしてきてさ。でも、もったいないから、ここでメモしておく」
「……っていうか、本当に画ニメって何だ?
「ホサレタマモルさ〜」
「……何が?!」
「なぜ盗んだバイクで走り出すんだよ、と当時は散々突っ込んだっけ」
「……誰に」
沢尻エリカの夫に」

うみものがたり〜あなたがつぎこんでくれたカネ〜

「……また直球のエントリタイトルだな」
「いやあ、途中に凄く重たい展開が続いた時はどうなるかと思ったけど、最終回で見事にまとめてくれて良かった良かった」
「普通の感想するならファンの不快感を煽るなよ!」
「いや、見てたら西原理恵子のマンガが頭にちらついちゃってさ」
「ギャンブルという共通点しかないだろ……ああ、海に面した田舎町が舞台というところは確かに似てるな」
「その田舎町を主人公が嫌いで嫌いで、都会に出たがって背伸びして愛に飢えて孤立してるってとこも」
「なるほど、『女の子ものがたり』『上京ものがたり』『ぼくんち』あたりを思い出すな。土佐と琉球、どちらも南国の海だし」
「色使いが暖かくて、魅力あふれるキャラクターなのに、展開がやたら重いとことかもね」
「……つまり何か、パチンコ原作アニメがああなったことに必然性はある、といいたいわけか」
「真面目な話、主人公の夏音は、パチンコにはまる若い女性が感情移入しやすいんじゃないかと」
「……んん、地域社会と折り合いをつけられず孤独なギャンブルにはまりこみ、たまに愛情を寄せられても消化できないと……」
「人を邪悪にする無数の球は、もとは人々の流した涙」
「実は本当にパチンコ玉がクライマックスイメージの元なのかもな」
「あいしてるぅ、といってくれるのは眼前のパチンコキャラだけ。そして女性も、大好きだよ、とモニターへ向かってパチンコ玉を打ち続ける」
「……地獄絵図だな」

ライオンキング桃源郷

「海外における劇団四季の受け入れられかたは、一種のオリエンタリズムだと思うんだ」
「……また唐突だな」
「ヒット作のライオンキングだって、元々から反文明の要素を持っているものだしね」
「ろくに舞台劇を見ないくせに、よく論じる気になったもんだな」
「こないだ、週刊文春のテレビ時評に劇団四季批判が書いてあってね」
「便乗なんだ?!」
「それはさておき、手塚治虫だって戦後民主主義の体現ではあるけど、戦前戦中の東南アジアに対する楽園願望を反映しているしね」
「どっから手塚の初期作の話題になったんだよ!見当はつくが!」
「ライオンキングの原作が手塚治虫
ジャングル大帝だろ。だいたい人のことはいえんぞ、手塚の初期作には世界一有名なネズミの着ぐるみが出たりと、手塚もパクってるし
「ああ、電撃」
「ピカチューじゃねーよ!」
「パクリというか、神や源流とはされているけど、どちらかというと時代の先端を走り続けた印象が強い人だからね。ポケモンが出たらパクったと思うよ」
「……まあいい。確かに最先端であると同時に、量産することで存在感を示し続けた人ではあるな」
「ミステリでいうと、西村京太郎が初期の質を維持し続けたらという感じ」
「確かに昔の西村は社会派もパロディも本格も歴史もこなし、しかも質が高かったものだ」
「一時期の島田荘司みたいに手を広げてたよね」
「っていうか、手塚と島田が似ているんじゃないか、西村より。一定の質を維持しながら量産していること、古典の再生で新規開拓したこと、若手を育てたこと、一時期に一線を退いてから再起したこと、文化人として発言していること……」
戦後民主主義の担い手として発言しているわりに、けっこう古臭い思想の俗悪さを見せる、とかもね」
「ああ、そうか。『ネジ式ザゼツキー』とか、これも一種のオリエンタリズムへ繋がるわけか……」
「欧米からオリエンタリズムなまなざしを受ける日本人が、他国へ向けるオリエンタリズムなまなざし!」
「そのオリエンタリズムを物語として楽しめる者は、自分が否定したがっている感情を心底にかかえているのかもな」