法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『トロピカル~ジュ!プリキュア』第2話 まなつとローラ! どっちのダイジが一番大事?

小さなマーメイドアクアポットに隠れられるローラだが、夏海の願いを無視するように勝手に外へ出ては水につかる。
一方で夏海は新しい学校生活を楽しもうと、さっそく涼村と仲良くなり、部活オリエンテーションを待望するが……


前回につづいて横谷昌宏が脚本で、コンテは村上貴之。
とおしてキャラクター作画が良かったし、名も無きモブキャラクターも適度に個性的なデザインで目を引いた。瓶底眼鏡の文学少女が良い。
アクションも今回は飛んだり跳ねたりするプリキュアの弾力的なアニメーションを重視していて、今作のコンセプトが何となくわかってきた。


物語では、初回に顔見せしただけの鈴村との本格的な会話があり、ショップ経営者の母親も紹介される。しかし今回は真夏との新生活を象徴する現地住人のひとりくらいの立ち位置。
本筋は、ローラの普段の居場所はどこで何を目的としているかの設定説明と*1、そんなローラを世話しながら夏海が距離感をつかんでいくというもの。
勝手に風呂へ入っているローラの傍若無人さから、こっそり深夜にぬけだして水族館の不使用プールに入れてやる夏海のリリカルなデート、学校の池でローラが見つかる騒動まで、『オバケのQ太郎』的な児童向け居候譚としての楽しさがあった。


それにしても第二のプリキュアが登場する物語としては、あまりに夏海とローラの関係性に比重が置かれすぎている……と思ったら、今回は新プリキュアは登場せず。
次回予告によるとさすがに次回は新プリキュアが登場するようだが、こういうプリキュアひとりのまま物語を進めるシリーズがあっても良いと思った。
少女をプリキュアに導くだけの小道具になりがちな妖精キャラクターに、ちゃんとプリキュアと対等な存在感と心情変化がある。そして少女を戦いに追いたてる構図の身勝手さまで……結果的にかもしれないが……描けていることが興味深い。

*1:人魚はプリキュアになれないという説明通りの設定だとすると、もし後半でローラがプリキュアになるなら、女王になるという個人的な目標を捨てるドラマになるだろう。