部活動をつづけるため勉強をしなければならないが、夏海はなかなか身がはいらない。さらに敵幹部チョンギーレの攻撃に巻きこまれて、やる気を全方面で失ってしまう……
上野ケン作画監督に大地丙太郎コンテで、新アイテムのおひろめ。演出処理は前コンテ回*1と同じ岩井隆央で、そのためかやはりアクションにキビキビ感が足りなかったが、今回は多様な表情をクローズアップで見せて面白い映像になっていた。
主人公がプリキュアたるモチベーションを失い、再生していくという物語の流れは『Go!プリンセスプリキュア』第38話から第39話への流れを思い出させる。
hokke-ookami.hatenablog.com
主人公が自身の内面を見つめて再起した過去作の終盤前後編と違い、今作は序盤で1話にまとめて仲間が主人公を支える方向でドラマを展開した。
良かったのがローラで、水路まで地面をはいずる姿が、いかにも笑える絵面でありつつ、必死な心情をきわだたせる。水路の汚れた領域にも葛藤しつつ飛びこむ姿もいい。陸上では自由に動けない人魚だからこその描写をちゃんとしている。ローラが探していたアイテムを見つけるきっかけとして、くるるんがさらっと登場するのも良い。ローラとは異なる完全なマスコットとして本筋には参加しない距離感だからこその存在意義。
他の仲間たちの協力は尺不足のためか面白味が薄かったし*2、プリキュア関係者だけで問題が終わって人間関係を広げるにはいたらなかったが、新アイテム登場回でやるべきことは押さえていたと思う。
あと、敵幹部が調理と並行しながら出撃することで、やる気のなさが言葉だけで行動は職人気質という印象があった。人生を楽しもうとしているプリキュアとくらべて、職業意識で動いている感がある。
いずれ敵組織こそやる気で動いていないかと問われたり、逆に今回の真夏のように休みつづける選択が肯定される展開があっても面白いかもしれない。
*1:hokke-ookami.hatenablog.com
*2:これも前後編にして、やる気を失った夏海を周囲があの手この手でもりあげようとするコメディチックな描写をたっぷり見たかった。