法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

ハッシュタグ「トランプ大統領勝利」「日本の準備は整いました」は勝利宣言ではなく、あくまで勝利祈願だったらしいが

米国大統領選挙戦のさなか、ツイッターの日本語圏で下記のハッシュタグで大量のツイートが書かれていた。
#日本の準備は整いました hashtag on Twitter
#トランプ大統領勝利 hashtag on Twitter
ドナルド・トランプ氏の勝利宣言*1に呼応した熱狂的な動きに乗っていて、しかし各ツイート内の情報量が少なく、少なくない人々の困惑をまねいていた。
ツイッター、アメリカ大統領選挙結果の誤情報拡散回避のために対策強化(佐藤仁) - 個人 - Yahoo!ニュース

日本でも「#トランプ大統領勝利」というハッシュタグツイッターのトレンド入りしていたが、アメリカでもそれぞれの大統領候補の支持者が自分の応援する候補に優位な情報や応援コメントを拡散している。


このハッシュタグでのツイートを呼びかけていたのは、「mama QAJF 17@ma_ma_2880」氏。
ハッシュタグの参加者は匿名で陰謀論を流す人物「Q」の信奉者「Qアノン」*2と一部で予想されていたが、まさにその日本版「QArmyJapanFlynn」で活動する人物だ。

読んでのとおり、このハッシュタグは投票日以前の11月1日に呼びかけられた、あらかじめ決まった文言だ。つづくツイートで「勝利を願って」とも明言している。
もちろんQアノンだからトランプ勝利を確信していたろうし、敗北したならば不正と考えただろうが、時系列からしても勝利宣言ではなく、あくまで応援の言葉ととらえるべきだろう。
そうなると「日本の準備は整いました」という意味のわからない文言も、実際に何かを整えた宣言というより*3、応援の一環といえなくもない*4


こうしてQアノン自身が勝利祈願と考えていたハッシュタグだが、ツイッター日本語圏に蔓延したトランプ勝利観測と大差なく流れていった。
それがハッシュタグそのものより恐ろしい。
もしトランプ勝利宣言が勇み足のように出されなければ、あるいは宣言が日本語圏で批判的に見られていたなら、ハッシュタグはもっと孤立して浮いていただろう。
もちろんQアノン自体はどの立場からも批判されて遠ざけられがちだが、部分部分はそれほど特異な存在ではない。それが米国大統領選で可視化されてしまった。

*1:トランプ氏、「勝利」宣言 集計は法廷闘争も辞さず 写真5枚 国際ニュース:AFPBB News

*2:クリントンはすでに拘束された」などの主張が早々に破綻しながら信奉者を集め、日本国内でも広まっていった動きはこのページがくわしい。 explainednews.org 早々に陰謀論が破綻しながら信奉者を集める構造は、「Q」より先に日本で活動していた「余命三年時事日記」を思い出させる。d.hatena.ne.jp

*3:id:Nathannate氏の、はてなブログには珍しい保守派ブログが「事実を整える」というタイトルであることを連想したが、さすがに関係ないとは思う。ちなみにトランプ勝利宣言を受けてブログエントリをあげて、セルフブックマークで「勝負あったか。」とコメントしていた。[B!] トランプ大統領、勝利宣言をツイート - 事実を整える

*4:ただし宗教学者の堀江宗正氏は、スピリチュアリティの思考から未来が心の内で起きている宣言だと推測している。

 そうなるとQアノン自身の内心で応援と宣言がどこまで区別できているかはまた違う議論になるだろう。