法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『世界まる見え!テレビ特捜部』世界は予測不可能であふれてる! ラッキー・アンラッキースペシャル

今回はわかりやすい幸運不運の逆転劇を紹介。「禍福はあざなえる縄のごとし」ということわざを思い出すような、ラッキーとアンラッキーが表裏一体な出来事が楽しめた。


妹が強盗にあって、その被害と防犯の大切さについて韻をふむようにインタビューで答えた黒人青年。彼の映像はYOUTUBEで注目され、許可をえてサンプリングされたミュージックビデオが再生回数を稼ぎ、サンプリングした音楽集団から半分の収益を定期的に贈られているという。アントワン・ドッドソンという名前で検索すると、AFP通信がつたえたYOUTUBEのエイプリルフール企画で言及されていた。
ユーチューブが閉鎖、最優秀動画を選考 全てエープリルフール 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
他にニューヨークの片隅で料理店で働いていた女性が、ゴミ置き場の大判の絵画を気にいってアパートの自室へ持って帰った。ペッツィー・ギブソンという彼女が店の客に相談すると、タマヨという有名画家らしいと判明。しかしその絵は盗難被害にあっていて、大儲けどころか自分の物にはならず、拾得物と証明できなければ訴えられる危険があるという。一転して窮地に追いこまれた彼女だが、最終的に絵の鑑定を決断して、持ち主に返して謝礼金と、オークション会社から特別な手当てをもらった。


借主が諸事情で中身を手放したレンタル倉庫のオークションは、あまり中身を見せずに参加者の射幸心をあおる作り。メルカリなどのつつましい転売とは違った面白味があるが、沼に落ちている人も多そう。


最後に紹介されたのは、1983年にジンバブエのサバンナで捨てられていた赤子アビゲイルが、成長して実の両親を探しにいくドキュメンタリー。
病院で死産したはずの赤子だったことがDNA鑑定ではっきりしたかと思えば、しっかり調査すると少し離れた親類関係と判明。女性は実の母と目星をつけた相手にたのみこむが、明確な答えをえることはできなかった……
今度は女性が捨て子をひきとるというかたちでオチはついたが、こういうドキュメンタリーで完全な間違いでもなければ明確な真相もわからないという結末は珍しい。
しかし理由がなんであれ、赤子を捨てたのであれば、追及されるのを避けたい心情はあるだろうし、これはドキュメンタリーの根幹的な難しさをあらわにした回だったといえるかもしれない。