佳き友は、気をきかせて教えてやった。
「メロス、君は、まっぱだかじゃないか。早くそのマントを着るがいい。この可愛い娘さんは、メロスの裸体を、皆に見られるのが、たまらなく口惜しいのだ。」
勇者は、ひどく赤面した。
つまり上記の描写を想定して、登場人物の姿を想像してみる。
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走れメロス 太宰治 名作選 (角川つばさ文庫 F た 1-1)
- 作者: 太宰治,齋藤孝,藤田香
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- 作者: 太宰治,芥川龍之介,楠章子
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ならべてみると海王社文庫のガチムチっぷりが突出している……
実のところ、海王社文庫のみ高年齢女性向けに古典をパッケージングした作品のひとつであり、児童向けにアレンジした他と印象が異なるのは当然だったりする。
文章の印象をおぎなったり、異なる意味をつけくわえる挿絵の良し悪しは、パッケージのコンセプトと照合しながら評価すべきところだろう。
ちなみに私としては、おおすみ正秋監督*1によるアニメ映画が、独立した作品としても完璧だと考えている。
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ずっとDVDかブルーレイで出してほしいと願っているのだが、いまだかなわない。数年後に『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』へ参加するような、そうそうたるアニメーターが参加した映像は、最新技術でリマスターする価値がある。
全体としてハードにアレンジされた物語も好ましい。特に、権力者が他人の献身ですぐ心変わりするような原作の甘さがなく、こまごまと時代の限界を描ききったところが良かった。