法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

産経記者の野口裕之氏によるポエムレポートが評判の国産ステルス機「心神」だけど

こじんまりとしたデザインはけっこう嫌いではない。
【日本版ステルス機初飛行】大空に舞った「平成の零戦」 米軍「F-35」を凌駕する「心神」 「軍事情勢」野口裕之記者レポート(1/7ページ) - 産経ニュース

機動戦士ガンダム』のコアファイターみたいで。

U.C.HARD GRAPH 1/35 地球連邦軍 多目的軽戦闘機 FF-X7 コア・ファイター (機動戦士ガンダム)

U.C.HARD GRAPH 1/35 地球連邦軍 多目的軽戦闘機 FF-X7 コア・ファイター (機動戦士ガンダム)

やたら風防が大きいこと。吸気口が小さく見えること。垂直尾翼が大きく、水平尾翼が目立たないこと。かなり形状がつかみやすいこと。それにカラーリングもオモチャっぽさを加速させる。オモチャのように実戦につかわれる機会がなければ*1、なお良いことだ。
個人的な好みの話だが、ぬめっとした巨体を強力なエンジンでぶんまわすような戦闘機は、あまり見ていて面白くない。


……などと思っていたので、野口記者によるレポートは、実際の機体とはかけはなれたものに読めてしまう。

 驚くほど細身で、しなやかささえ漂う「白地に赤く」彩られた機体は、前脚が滑走路から離れるや、グイと大空を見上げた。「空の青」に鮮やかに溶け込み始めた、操縦席直下に映える「日の丸の赤」に感動したのも瞬く間、頼もしい爆音とともに、かなたへと消えていった。

動く姿で見ても、「驚くほど細身で、しなやかささえ漂う」という印象は受けなかった。
単に表現がおおげさなだけでなく、主観で美化しすぎて実態と乖離したレポートだから、ポエム*2という評価がくだされたのだろう。


それと……

わが国を取り巻くキナ臭い情勢を観察すれば、かつてわが国が掲げたスローガン《翼強ければ国強し》を、再び強力に実行する時代を迎えた。

その発言そのものがキナ臭いとは思わないのかな……

*1:というか、試験的につくられた機体であって、これ自体が実戦に投入されることは考えられないが。

*2:もちろん本来のポエムとは、このような無駄な表現を徹底的に排した、とぎすまされた韻文のはずである。