法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

産経新聞の野口裕之記者が民族を語るビフォーアフター

産経記者の野口裕之氏によるポエムレポートが評判の国産ステルス機「心神」だけど - 法華狼の日記で言及した野口記者だが、以前から記事のクオリティは同じようなもので、たびたび読者に批判されたり困惑されたりしている。


そんな野口記者が韓国と日本の民族性について語った別々の記事がある。
【軍事情勢】マッカーサーが造った「遺伝子組み換え人間」(1/5ページ) - 産経ニュース

聯合国軍最高司令官ダグラス・マッカーサー米陸軍元帥(1880〜1964年)は、遺伝子工学の権威? そうでなければ突如、戦後の日本で増殖・跋扈し始めた「遺伝子組み換え生物」のような新種の“日本人”発生の説明がつかぬ。

【野口裕之の軍事情勢】「日本人だけは必ず絶滅させなければならぬ」と書いた韓国人記者 怠惰な国民性も「日本統治のせい」だと…(1/5ページ) - 産経ニュース

《倹約の美風を奪い、怠惰な国民にさせた》のも、日本統治の結果、だとか。真に誇り高い民族は、自らを卑しめるこの種の言葉は決して口にしない。

ふたつの記事をあわせて考えると、野口記者もまた真に誇り高い民族ではないらしい。
こういう与太を「軍事情勢」カテゴリで掲載する産経新聞の判断も不思議なものだ。


もちろん、それぞれの記事は他にも多くの問題点や疑問点がある。
特に味わいぶかいのは、韓国の国民性にふれた記事の、おそらく中国と韓国を指していると思われる冒頭部分だ。

 近所に「すぐ激高し、何でも他人のせいにする、プライドだけは異様に高い」一家と、「バレるウソをついても顔色一つ変えず、自らが町内一偉いと信じて疑わず、他家の敷地にわがもの顔で家を建てる」一家の、二家族が住んでいたなら、一刻も早く引っ越したいと願うはず。しかし、国家は引っ越せない。

「バレるウソをついても顔色一つ変えず」という記者自身が、今どき珍しく「南京大虐殺」の捏造説をとなえている*1

支那事変初期の1937年、大日本帝國陸軍が中国人30万人を殺したと“南京大虐殺”をでっち上げた。南京の人口は当時20万人程度。中国人は「緻密なウソ」が苦手なようだ。

《平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意》しても、「南京大虐殺」や「帝國陸軍による慰安婦の強制連行=性奴隷」などを捏造され裏切られ続ける。

「帝國陸軍による慰安婦の強制連行=性奴隷」も、歴史学においては捏造とは考えられていない*2
そして「何でも他人のせいにする」という記者自身が、マッカーサー元帥が遺伝子組み替え人間をつくったという記事の結論で、憲法改正の必要性をうったえる。

武装解除のみならず、精神的解体まで成功させた、元帥による戦慄の「遺伝子組み換え人体実験」。憲法改正は「遺伝子組み換え人間」を漸減させ、真性日本人を増やす狼煙と成る。

野口記者が近所と思っているのは、鏡に映った自分自身のことではないだろうか。

*1:20万人都市で30万人が虐殺されたという主張への批判は、こちらがくわしい。陥落時の南京の人口は20万ではなかった - 南京事件FAQ

*2:1-2 軍・官憲が暴行・脅迫により連行したことはなかったの ? | Fight for Justice 日本軍「慰安婦」―忘却への抵抗・未来の責任で各地域の事例がまとめられている。それとも朝鮮半島における日本軍の直接的な強制募集が捏造された、という狭い意味のつもりだろうか。しかし、そこで虚偽の証拠と考えられているのは日本人の吉田清治証言であって、韓国が捏造したという考えはなりたたない。