法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ドラえもん』のび太のジャックと豆の木/みせかけモテモテバッジ

前半はアニメオリジナルだが、以前に見た印象のあるエピソード。後半は旧単行本未収録で印象に残っていないエピソード。


のび太ジャックと豆の木」は、のび太たちは雲の上まで成長する「ジャック豆」で遊んでいた。しかしママの説教から逃げるため雲の上にいつづけると、巨人の住居にたどりつき……?!
前半は「雲かためガス」で雲をかためて、スネ夫を除いたメンバーで遊ぶというシンプルなもの。そして後半は雲の奥で巨人に襲われるスネ夫を助ける。
以前にも、湖の水を割ると竜宮城が出てきたというアニメオリジナル展開があった*1。しかしそれは簡単に真相がわかるし、ネタも少なかった。比べて今回は、巨人が実在したように錯覚するネタを多く投入して、やはり真相はわかりやすいながら、より楽しめるものだった。住居の窓に巨大な眼が映る場面など、バカミスのトリックとしても使えそうだ。


「みせかけモテモテバッジ」は、のび太しずちゃん出木杉の関係に嫉妬して、自分がモテる姿をしずちゃんに見せて嫉妬させようとするが……
嫉妬させたい相手の前でだけモテモテになる秘密道具の機能制限がきびしい。それでいて年齢制限がないため、幼稚園児や老婆にまでモテモテになってしまう。このふたつの条件のため思うようにいかないというパターンだが、いかにも物語の都合優先の設定であり、見ていて驚きがない。良いと思うのは、捨てたバッジをつけてパパが帰宅し、騒動が本格化する直前に終わるという、読者の想像力にたくすオチだけ。単行本未収録になったのもむべなるかな。
作画も、小野慎哉作画監督とは思えないほど魅力がない。さまざまな女性キャラクターを登場させているし、幼稚園児や老婆の群衆作画もしっかり動かしているのだが、それを見せ場にするコンテになっていないというか……