法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ドラえもん』そっくりペット大集合/再会!5年ぶりののび太

今回は前後とも原作あり。展開に改変は少ない。しかしキャラクターの言動がいちいち誇張されていて、作画も粗くて、どちらも好きになれなかった。


「そっくりペット大集合」は、ペットに食べさせると飼い主と同じ顔になる秘密道具が登場。のび太はそれを勝手に購入して、友人のペットに食べさせるが……
ペットが飼い主と似ていく「ペットそっくりまんじゅう」とかぶるためか、原作者生前には単行本未収録だったエピソード。原作からして完成度が低く、ペットの顔が人間と全く同じになるナンセンスギャグは味わいあるが、思いつきのような展開がつづいて伏線や風刺の楽しみがない。ドラえもん顔の動物であふれかえる原因が、ただの事故というのもつまらない。
しかし、のび太顔の動物をつくってドラえもん顔を上書きするというアニメオリジナル展開には頭をかかえた。尺にあわせるためトラブルを増やしたいにせよ、のび太ドラえもん顔の動物を何とも思わない描写は理解しがたい。もっとシンプルに、ドラえもん顔の動物をもとにもどす騒動だけを描けば良かったのではないか。


「再会!5年ぶりののび太」は、ひさしぶりに再会した気分になる秘密道具が登場。それでのび太しずちゃんの気をひこうとするが、期間がうわまわる相手が登場して……
ジャイアンスネ夫、先生の行動はアニメアレンジでふくらましていた。まずジャイアンスネ夫の行動は悪くない。しかし短い描写でごまかせた原作とちがって、先生の行動はオチから考えて不整合が目立つ。
のび太のガラス越しの大騒ぎがしずちゃんにとどかない演出は印象的。しかし、横にいるドラえもんが止めた映画『のび太結婚前夜』とちがって、まったく声がとどかないのは不自然。ここにかぎらず絵としての面白さを優先しすぎて、全体的に言動が過剰だったのが残念。固まって石になるギャグも古すぎる……