法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』第9話 盃

タービンズの先導で、テイワズ本拠地にたどりついた鉄華団。そこで主人公たちは歓待を受け、さらにテイワズの傘下として安定した立場もあたえられる。


岡田麿里脚本回。前回につづいて、いきがっていた少年がヤクザに手なずけられる展開で、優しい空気になるほどに今後を不安にさせていく。
今回は細部で未来世界らしさを表現できていたのが良かった。たとえば、予告映像では気づかなかったが、盃をかわす時の羽織は作業着にはおったもの。背景の漢字名も無理やり当てはめたものであり、現在の日本文化そのままではなく、遠未来に変容した文化であることがわかりやすい。女性同士で男の価値について語る場面も、食べ物にたとえたことで鉄華団テイワズの食事観のちがいを表現し、未来らしい設定も同時に説明できた。美味しい肉をみんなでわけるより、ひとりで素朴なパンを食べたいというアトラの思想も興味深い。
しかし大張正己メカ作画監督なのに、メカニックの見せ場がほとんどない。骨格をむきだしにしたガンダムバルバドスの絵は良かったが、静止していてアニメ作画の魅力が弱い。たとえば訓練シーンで仮想現実のモビルスーツ戦を描くとか、テイワズ本拠地を守るモビルスーツ鉄華団がやりとりするとか、組みこみようはあったと思うのだが。