海藤の許嫁を自称する少年、伊集院キミマロが登場。熱烈なアピールをくりかえすが、空回りするばかり。しかし海藤は迷惑なところは批判しつつも、その人格にフォローも入れる。
一方、海藤に近づかないようにと伊集院が命じてきたことに対して、春野は悩みはじめる……
予想以上にふみこんだ内容に、高橋ナツコ脚本のすごみを感じた。
許嫁という異物をもってきて、春野と海藤の関係が問われる。ここで許嫁の行動は海藤が軽やかにかわして、許嫁の人格も海藤が優しく受けとめて、見ていてストレスを感じない。許嫁の存在が知られていない理由も、ゲストキャラが唐突に感じられた前回*1とちがって、ちゃんと説明されていた。
そうしてよけいな引っかかりを感じさせず、許嫁という身分を感じさせる設定をとびこえ、春野の逡巡から海藤の肯定へ、力強く関係が結びなおされた。
田中裕太SDが藤本義孝と連名でコンテを切っていたり、原画に中谷友紀子キャラクターデザインが入っていたり、同じスタジオガッツの五十内裕輔が作画監督をしていたり、スタッフワークを見てもポイントとなるエピソードだったのかもしれない。
作画は安定して美しく、アクションも華やか。他に伊集院のイメージで、凶悪な春野を銅版画のようなタッチで描いていたところが面白かった。
OPもさまざまな変更があった。冒頭の読みあげを海藤ひとりでおこなったのは、地味に初めてか。
キャラクターが総登場するカットには、ちゃんと前回に登場した小森が追加されていた。かなり小さなあつかいではあったが。
プリキュアと戦う敵幹部も、強化されたクローズなどにさしかえ。前回は顔がうすくなりすぎた感じのクローズも、きちんと陰影をつけると格好良くみえる。
