法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『Go!プリンセスプリキュア』第10話 どこどこ?新たなドレスアップキー!

主人公はアイテムをさがして学園を冒険するが、どこにも見つからない。しかし誰も知らないような場所も、神出鬼没の寮母なら知っているかもしれない。
あとをつけると、寮母は隠し扉の中へと消えていった。噂では寮母は忍者だというが……


あらすじだけを取り出すとコメディチックだが、演出は表現主義的。遠近を強調した構図に、多用される画面効果。学園に隠された水車小屋で、初回よりも浮世離れした情景が展開される。
そして小屋の壁に刻まれた過去の夢から、学園の外にも未来があることを描いていく。ずっと学園を舞台としてきただけに、風景の広がりが際立ち、主人公が感動するだけの説得力があった。


春野の同居人がプリキュアを知ったことも、新アイテムの使用も、敵幹部の退場も次回以降に持ちこし。複数の夢を素材とした怪物は、既存の必殺技を連発して倒す。
つまり全体としては繋ぎ話なのだが、画面の遊びが多くて見ていて飽きなかったし、これまで積み重ねた関係性を崩すこともなかった。バンクもただ繋げただけではない工夫がされている。映像表現は派手だが、手堅いつくり。
クローズアップが少ないから長峯達也ではないと考え、細田守の薫陶を受けた大塚隆史か、まさか仕事に隙ができた五十嵐卓哉かとも思ったが、畑野森生だった。そういえば『ハピネスチャージプリキュア!』第43話で登板した時も、表現主義的な演出に山内重保かと錯覚した*1


原画にはフィリピンのアニメーターがずらりとならぶ。過去にクレジットされたのとは違う名前ばかりだが、今回から表記が変わったらしい。どのような理由で変わったかはシリーズディレクターも把握していないようだ。

ちょっと目と目が離れすぎているというか、鼻筋を強調しているきらいはあったが、総作監の修正が入っているためか違和感はなし。冒頭の春野のように、デフォルメ表情もかわいらしい。