法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

スタジオジブリがつぶれたら、スタッフはどこにいくのだろうか

宮崎駿監督が今度こそ長編アニメ映画制作をやめると引退会見し*1、より高齢の高畑勲監督もいつまで仕事をつづけられるかわからず、今後のジブリがどうなるか注目されている。
http://mainichi.jp/opinion/news/20130913ddm003070146000c.html

 Q 2人の作品しか作らないの?

 A いいえ。ジブリの若手を起用した作品もあります。米林宏昌(よねばやしひろまさ)監督(40)の「借りぐらしのアリエッティ」、宮崎監督の長男、吾朗(ごろう)さん(46)が監督した「ゲド戦記」「コクリコ坂から」などです。

森田宏幸監督も長編映画を手がけたのに……

 Q ジブリはどうなっちゃうの。

 A 鈴木プロデューサーは、11月に高畑監督の新作「かぐや姫の物語」、来年夏にも新作の公開予定を明かしました。CM制作も受注しています。ただ大黒柱がなくなり、高畑監督も77歳。これまで2人以外に2作を作ったのは、吾朗さんだけです。宮崎監督は引退にあたってジブリ作品に関わることはないと断言。鈴木プロデューサーも将来は「今いる人たちの問題」と、若手の奮起を促しました。当面はジブリブランドやスタッフの力で安泰でしょうが、ジブリを維持するには米林、吾朗両監督ら続く世代の成長が鍵となりそうです。(学芸部)

たとえ解散したとしても、関係者はたいていのアニメ会社でやっていけると思うし、すでに庵野秀明監督とのつながりでスタジオカラーに流れるという話もある。しかし個人的には多くがシンエイ動画に流れていくような気がする。
アニメ制作会社として安定した仕事があり、アニメ業界としては比較的に厚生がしっかりしているらしいこと。ジブリが得意とする、生活感を求められる作品が多いこと。個性的な作風のアニメーターでも活躍できる余地があること。毎年2作品以上の劇場映画を制作しており、高技能のスタッフが必要とされていること。
そして歴史的に見ても、Aプロという社名だった時代に宮崎駿監督や高畑勲監督をスタッフとしてむかえており、現在でもジブリ出身のアニメーターや演出家を複数むかえていること*2
仕事面でも人間関係でも、意外と最も近しい会社ではないだろうか。


もっとも、ジブリタツノコプロのような版権管理会社となっても、やはりCMやPVの仕事はつづけることになるだろうし、『SAMURAI7』等で下請け仕事をした時期もある。ブランド作品ももつ小規模会社として細々とやっていくのが、やっぱり自然な未来予想図か。

*1:http://www9.nhk.or.jp/kabun-blog/700/166843.html

*2:映画『ドラえもん』シリーズに参加した小西賢一や、『ドラえもん』真夜中の巨大ドラたぬき - 法華狼の日記を担当した高橋敦史など。もちろん、メインスタッフを流したり仕事を融通しあうだけなら、ジブリはシンエイ以外の多くの会社ともおこなっているが。