法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『宇宙戦艦ヤマト2199』第4話 氷原の墓標

基本的には繋ぎ話なのだが、ていねいに作ることで、硬軟さまざまな面白味があった。


一面の氷原を舞台とすることで背景美術を節約しつつ情景を面白くし、さらに砲撃戦と陸戦と航空戦を同時に展開して多様な戦場を描く。銃撃で溶けた氷がまた凍りつく描写など、純粋にSFらしい絵作りも多い。ガニマタで移動するアンドロイド兵士にも好感が持てた。絵柄こそ違っていても、柔らかいフォルムから牧歌的な雰囲気が生まれ、松本零士の世界観を感じさせる。
話運びも地味に巧い*1。今作オリジナルをふくむ多くのキャラクターを登場させながら、筋を混乱させずにさばき、ちゃんと結末へ向けて感傷的に盛り上げた。

*1:脚本担当は大野木寛。