小学四年生となった秀才少女が天才少女と出会い、友達とは何かという謎を解いていく、ミステリでSFでファンタジーな物語。
友達とは何かという問いに、フィクションとして考えられる方向性の答えを全て示しつつ、ひとつの物語として着地する。頁数が少ないこともあり、さすがに答え個々の踏み込みは浅めだが、あくまで子供目線ということもあって、物足りなさはない。むしろ、あつかっているテーマやガジェットのわりに、驚くほど語り口が読みやすいという長所に繋がっている。
百合*1っぽい少女同士の成長を描いたジュブナイル小説のようでもあるし、もちろんライトノベルとして読んでも楽しめる。特に、かけあいの巧みさにはうならされた。ただパロディの連発で笑わせようとするのではなく、入念に前振りした会話の流れと、意図的な強引さで笑わせてくれる*2。