法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『輪廻のラグランジェ』第7話 曇り のち 鴨川

主人公の敵は、かつて運命の果実をいっしょに食べた少年少女だった。


野村祐一脚本、五十嵐紫樟コンテ演出*1
追いつめられた子供達の乾ききった過去と、日常を楽しみながらそれに逃げていた自分に主人公が気づく現在と。
特に、限界まで台詞を抑制した過去描写が素晴らしい。リンゴを媒介にして互いを思いやる少年少女の生存劇を通して、どのように彼らが現在の人格を形成していったかを絵で見せていく。
主人公が奇矯な行動をとる現在パートでは、不自然ではない程度に台詞で説明し、共感はできないがキャラクターの意図は理解しやすい。背景の店でコートが売り切れになっているギャグのように、現代パートでも不要な説明台詞は排している。
映像も、作画が整っていて美少女のサービスシーンや、食べ物を混ぜる汚らしいギャグといったキャラクターアニメとしての楽しみが多い。メカアクションこそないが過去パートにSFアニメらしい味わいがあり、文句ない。

*1:五十嵐卓也によく名前が似た演出家、五十嵐達矢の現名義。