信実節子が作画監督。何度か総作画監督をつとめた宮本絵美子が原画にいたと原画は多めで、新バンクもいくつか。しかし、格別に目を引くようなアクションはなかった。
黄金聖闘士が出陣する冒頭で少し期待したが、本編のほとんどは仲間とはなれた忍者と鋼鉄聖闘士の珍道中アクション。忍者がいるので危機感が生まれない。
『宇宙戦艦ヤマト2199』第15話 帰還限界点
今回は一大決戦の前哨戦として充分な、濃密なつくりだった。OPを省略してEDで全てのクレジットを流していたほど。
もちろん作画面からして充実していた。ここ数話で戦闘が少なかったとはいえ、期待以上の作画リソースを投入。宇宙空間から爆撃を受ける惑星のカタストロフをこれまで以上に念入りに、島に接近する新見の芝居も長回しで細かく、艦隊戦では荒々しい影を落とした敵味方の表情が格好良い。最近に松本零士アニメ化に何度もかかわっていた増永計介が作画監督として入り、濃い作画を見せてくれたようだ*1。
敵味方それぞれの内部分裂で前半と中盤と見せ場を作りつつ、それをヤマトが危機から脱する伏線にした話運びも悪くない。単艦のヤマトでは正面から勝てないことから予想すべき結末ではあるが、さすがにデスラーの直面した出来事は偽装にしても予想外だったし、現場は敵味方ともに正しく行動しようと努力しており、見ていて展開に納得できた。
艦隊戦そのものもよくできていて、映像で立体的な戦闘を描ききっていた。上下左右に奥行きまで敵艦隊が展開しているからこそ、突破の困難性が理解できて、登場人物の絶望に共感できる。
*1:作画@wikiによると、BパートのL/Oをほとんど全修正したりと大活躍だったらしい。http://www18.atwiki.jp/sakuga/pages/438.html