「カメラが捉えた逃亡者」は、米国のさまざまな犯罪者が警察に追いつめられながら暴走していく事件を紹介。
車載カメラやヘリコプターによるカーチェイスなど、基本は外国でよくあるタイプの警察広報番組だが、今回はテーマにあわせて小さな事件から暴走していく愚かさを強調。
またナレーションも揶揄っぽくして、テーマの軽さにあわせた雰囲気にしていた。よく見るとカーチェイスしながら銃撃戦が展開されたり自宅に放火したりして、かなり危険な事件ばかりなのだが……
「花嫁には内緒」は、番組が花婿に予算をあたえて自由に結婚式の内容を決めさせ、花嫁は直前までどのような結婚式になるかわからないという企画を紹介。
今回は体育会系の若い夫婦だが、花嫁は女性らしい結婚式を夢見る一方、花婿は妻と競争を好む毎日から結婚式もスポーツイベントのようにしようと考えていた。
ウェディングドレスはピンクのレオタードにチュチュをつけた姿。注文したスポーツ用品店の老婆と若い女性は当惑するが、注文通りの品をしたてる。アトラクション用の安全なバルーンっぽい障害物をレンタルして、競争をおこなうのはラグビー場で披露宴会場はそこにあるクラブハウス。
当然のように花嫁側は茫然として落胆するが、実際に親族や友人とチームを組んで花婿側と競争するうちに楽しくなっていく。最終的に勝利したことで豪勢な披露宴の料理を楽しみ、花婿チームは粗末な机と椅子でパンだけを食べるというオチ。
まあ、幸せならOKですとしか第三者の視聴者としては思うしかない……
「アイダホ殺人事件 ネット探偵」は、ルームシェアしていた若い男女4人が殺された事件が、なぜか犯人探しがバズってSNSや配信が過熱していった問題を追う。
ストーカーだの麻薬中毒だの、好き勝手な推理を披露しながら視聴数を集めようとする人々。なかには犯人に脅しをかける者も出てきて、近くのパン屋などが迷惑電話の被害者になる。パン屋が注目される根拠とされた家族にいたっては、実際は存在しないというバカバカしさ。やがてサイキックで犯人を見つけようとする人々もあらわれて、インターネットの騒動は鎮火しない。
そして最終的に警察が逮捕したのが、犯罪学を専攻していた男子大学院生だったのだが、インターネットで犯人と「推理」した者はひとりもいなかったらしい。その後もその容疑者のイニシャルから別の事件とこじつけるインターネットの推理合戦はつづいているが、警察はそうした過熱をふせぐためにほとんど情報を隠しているという……情報公開の要求が過熱すると情報隠蔽の口実を行政に与えてしまう問題は、支援団体Colaboへの攻撃を見てきたひとりとして他人事とは思えなかった。