法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『トロピカル~ジュ!プリキュア』第25話 桜川先生パワーアップ大作戦!

夏休みも終わり、授業参観の予定がつげられる。親に授業を見られることに、生徒だけでなく担任も悩みを見せる。実はトロピカる部の顧問でもある桜川の授業風景を見に、父親が実家から出てくるというのだ。リンゴ畑の後をつがせたいのだろうと推測したトロピカる部は桜川を立派な教師らしく見せようと奮闘するが……


やってきた親に良い姿を見せるため周囲に協力してもらう定番を*1、そもそも親に良い姿を見せるべきというのは誤解だった、そんなすれ違いコメディとして描く。井上美緒脚本。
普段と比べても独特の表情が多いと思ったら、やはり大地丙太郎コンテだった。これまでの登板回と比べて、今回は物語が根本からコメディなのでギャグ連発が昔を思わせて楽しい。授業風景の天丼ギャグなどで共感性羞恥に襲われつつも、そもそも良い姿を見せる必要がないことが想像できたので、逆に気楽に見ることができた。全体的にゆるい作画も今回の雰囲気にはあっている。
ただ、それでも描写の密度が過去の監督作品と比べて薄くなっている感じはある*2。特に結末で父の真意が明かされる場面は、伏線皆無の肩すかしだからこそ、説明に時間をかけず視聴者を置いてけぼりにするくらいの勢いがほしかった。
敵組織も保護者参観的な状況になっている二重構造は良かったから、教師と生徒と敵がそれぞれ保護者に観察されながら奮闘する三重構造にすれば、もっと密度があがってギャグもつめこめられたかもしれない。

*1:モノクロ時代の古典映画に原型があったと思うが、検索しても見つけられなかった。

*2:そもそも近年は『明治東亰恋伽』のようにシリアスに寄せた女性向け作品を監督することが多いが、ギャグ作品でつちかったメリハリで情感ある間をつくってはいる。