法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

日報隠蔽問題について、稲田朋美防衛相に反抗した自衛隊を産経新聞が批判しているけど

そもそも残すべき記録を消したと説明して、本当は隠されていたと判明した時点で、なぜ自衛隊をふくめて批判することができなかったのだろうか?
権力者に対する裏切りではなくとも、主権者に対する裏切りであり、市民に対する裏切りであり、未来に対する裏切りではなかったのだろうか?


しかし産経新聞は報道機関でありながら「真実」の追求を棚上げして、自衛隊への信頼も薄れるはずの「リーク」への「クーデター」という見方を奉じている。
「陸自が情報リーク」の見方 「これではクーデターだ!」 日報問題で文民統制に深刻な懸念(1/2ページ) - 産経ニュース

防衛省内では「特別防衛監察の結果、一方的に悪者にされてしまうと反発した陸自サイドが情報をリークしている」(幹部)との見方が大勢を占める。真実がどちらであっても、結果的に政府の信頼が損なわれるのは間違いなく、「これではクーデターではないか」(政府関係者)との声すら漏れる。

フジテレビ系の「ホウドウキョク」における平井文夫氏の解説は、もっと露骨だ。日報隠蔽問題について、軽視どころか無視していた自身の過去を正当化し、自衛隊の「クーデター」を批判している。
稲田大臣問題…“軍事クーデター”を止めろ | ホウドウキョク

もともとはPKOの部隊がいる場所で戦闘があったのか、なかったのかという議論だった。はっきり言って日本の防衛の根幹にかかわる問題ではなかったから私は無視していたが、ここに至っては無視する訳にはいかなくなりました。

というのも、陸自のデータがあったかなかったかについて、稲田さんと陸幕長の言い分が違っている。陸幕は「陸幕は稲田大臣に報告をしたんだ!」と言っている。陸幕が稲田大臣を告発しているわけです。もし陸幕の告発が通って稲田大臣が辞任するようなことになると、これは事実上の”軍事クーデター”ということになります。

大臣に対する批判は軍人がおこなってはならないという主張は、それ自体は原則として正しい。しかし平井氏は、文民からの批判も稲田氏へ同情すべき理由に数えているのである。

少し同情する点があるとすれば、皆で稲田さんをいじめている。

2つのいじめのパターンがあって、一つの勢力は左翼勢力で、稲田さんは安倍さんの秘蔵っ子で保守派のスターなので、これを早めつぶしておきたい、と。

稲田氏への左翼からの批判を「いじめ」あつかいしていなければ、自衛隊に責任を負わせようとして破綻することもなかったろうし、現状の「クーデター」が引き起こされることもなかったのではないか?