法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『キラキラ☆プリキュアアラモード』第2話 小さな天才キュアカスタード!

いちかの前にあらわれたカバンが巨大化し、製菓のためのパティスリー工房に変形。そのなかには実体を失った妖精の長老がいた。
その後、ひまりという少女が自分と同じスイーツ好きということを、いちかは学校や商店街で知る。そこでパティスリー工房に誘うが……


ずっと『ONE PIECE』で仕事をしていた宮元宏彰が演出として参加。さらにニチアサのサンライズ作品で活躍していた石川てつやが、作画監督としてシリーズに初参加*1東映作品の第2話としてはビックリするほど全体の絵に修正が行きとどいている。
菓子の質感を重視するため、きちんと手描き作画で動かしてプリンの柔らかさを表現。ハイライトや影の色彩や、撮影時のグラデーションもていねい。初回で驚かされた実写挿入*2などせずとも、製菓シーンに説得力があった。
アクションシーンでは、小さなキュアカスタードの足の速さを表現するため、俯瞰のロングショットで荒々しい背景動画を使ったカットが印象に残った。


物語のコンセプトも無駄がなくて明確。
まず同じ製菓好きでも、ひまりは知識収集型。いちかが最初に手を動かすことと対照的で、わかりやすく衝突と停滞を反復しながらドラマが動いていく。
製菓で生まれるキラキラルというエネルギーを敵味方が奪いあうことも、プリキュアの本拠地を製菓工房に設定することで、敵が襲ってくる展開に無理なくつながる*3
同じ妖精が1話ごとに違う怪物となって襲ってくるというフォーマットも、なぜ敵が組織なのに一体ずつ出撃しては各個撃破されるのかという問題を解決。
どれもジャンルをぬりかえるほどの目新しさはないにしても*4、確実に細かなブラッシュアップがされているとは感じた。

*1:すっかり忘れていたが、作画@wikiによると『ドキドキ!プリキュア』の第1話で変身シーン原画を担当していた模様。石川哲也 - 作画@wiki - アットウィキ

*2:『キラキラ☆プリキュアアラモード』第1話 大好きたっぷり!キュアホイップできあがり! - 法華狼の日記

*3:このフォーマットの始祖ともいえる光子力研究所と『マジンガーZ』は、思えば同じ東映作品だ。

*4:話題になっているひまりのコミュニケーション障害も、けっこう児童文学などで描かれる範囲だとは思う。知識をひけらかして煙たがられるパターンは珍しいとしても。