法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

redfox2667氏のネットデマ検証は少なくとも歴史認識については当てにならない

鳥越俊太郎氏の戦争体験は簡単には否定できない - 法華狼の日記
上記エントリで批判したTogetter*1をまとめたid:redfox2667氏だが、ツイッターのプロフィールには下記のように書かれている。

ブロガー。米国在住。ザ・コーヴシーシェパード、ダイレクトアクション、人体展と中国の人体闇市場チベット支那事変、ネットデマ検証など。Bunta Iwaya, Blogger & writer.

それでは「支那事変」のような表記をもちいる人物の「ネットデマ」に対する態度といえば、下記のツイートを紹介すればことたりるだろう。

「論破プロジェクト」「テキサス親父」「はすみとしこ」の問題は知られているだろうが、とりあえず下記エントリを自薦しておく。
「テキサス親父」という愛国詐欺師とソースロンダリング - 法華狼の日記
アングレーム国際漫画祭で「慰安婦の真実」を伝ようとしたプロジェクトの内実 - 法華狼の日記
青林堂と青林工藝舎、どうして差がついたのか - 法華狼の日記
それでも上記ツイートはデマゴギストやカルト宗教への許容であって、歴史認識にまつわる直接的な見解ではないかもしれない。
実際、2ちゃんねる発の南京大虐殺否認デマについては、redfox2667氏がブログで批判して注目されたこともある*2
Red Fox 南京ジェノサイドは共産陣営による作り物だった? 2ちゃん発の怪文書

1956年から中ソ関係は悪化し、中国が政治問題として南京を主張し始めたのは80年代初めであり、ソ連が1991年に崩壊しているため、実際歴史的に「冷戦中に南京に関して中ソ合作が行なわれた」というチャンスは存在しない。


そこでredfox2667氏自身の歴史認識がわかるツイートも紹介しよう。

このように明らかな陰謀論者であり、差別主義者である。従軍慰安婦問題はともかく、南京事件を民族史の違いで否認するのは、インターネットにおいても時代遅れな部類だろう。
ブログでも現代中国の残虐な死刑に言及しながら、差別批判のかたちで自身の差別意識をあらわにしていた。
Red Fox 中国の死刑写真とBBC『南京大虐殺』の酷似

犯罪者の死刑とは中国に限った話ではなく、歴史的には残虐な処刑が世界中に存在するが、中国の場合は死刑囚を引き回して晒し者にしたうえ銃殺という前時代的な処刑が現代に至って行なわれている国である。

しかしこの光景で思い出すのは、一昨年のBBCの記事におけるティルマン・ダーディンによって描写されていた『南京大虐殺』の一場面である。

こういう支那事変関連の中国や欧米の資料で所謂「日本軍の蛮行」と言われているものが、実際は日本ではなく中国に存在するというケースばかりだ。
この記事中の「南京」を全て「文革」、「日本軍」を「人民解放軍」に置き換えた方がむしろしっくり来る記事になりそうである。

実際BBCの記事は日本が絶対的に悪であり日本人が残虐民族という絶対的前提で書かれた悪意に満ちた記事である

この文章の流れで人類の普遍的な問題として見つめようとせず、日本の戦争犯罪を否認するredfox2667氏の心象が私には理解しがたい。
もちろん「日本軍の蛮行」は日本側にも資料が多々ある。有名なものとして、近年に百人斬り裁判として争われた捕虜斬首がある*3


そんな幸福の科学すら許容するredfox2667氏の、意見の異なるブロガーに対する評価は下記ツイートのとおり。

態度問題で論じるような人物ゆえに、私のエントリに対するredfox2667氏の反応も期待はしない。
ただ、鳥越氏の人格が信用できないことをもって戦争体験を疑う人々は、redfox2667氏が集めた情報や見解の精度も疑ってしかるべきだろう、とは考える。

*1:鳥越俊太郎氏は本当に空襲体験をしたのか? - Togetter

*2:ただ他に根拠として出されている「南京で日本軍と戦ったのは国民党軍であり、当時国民党と敵対していた中国共産党ソ連と共謀して国民党を助けるという発想はおかしい」という主張は、南京事件の時点で第二次国共合作がおこなわれているので、反論として少しおかしい。

*3:http://homepage3.nifty.com/ryo-folklore/intisol/hyakunin.htmで紹介されている志々目証言や望月証言など。