法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

ワタミ批判者が、ノルマが厳しくなった社員への同情を批判理由に加えたら「ワタミそのものに反対だったのに、利用する始末」といわれなければならないの?

モデルもカメラマンも関係者を使って費用をできるだけ抑えたという記述から、苦しい台所事情がうかがえる。
http://www.asahi.com/articles/ASG7J5KFBG7JUTFK00V.html

社民党は16日、集団的自衛権の行使容認への反対を訴える新しいポスターを発表した。

 「あの日から、パパは帰ってこなかった」という少年のつぶやきを載せ、「刺激的かもしれないが、自衛隊員の方々の命、国民の命に関わる問題だと訴える」(党幹部)狙いがある。

集団的自衛権によって国外で戦闘する可能性が高まると考えれば、あえて「帰ってこなかった」と表現した暗示を読むことができるだろうか。
しかし「あの日から、パパは帰ってこなかった」と家族の存在を重視する文章は、あまり良いとは思えない。軍事組織が拡大して実戦の危険性が増すほど、どちらかといえば社会的に孤立している者から構成員になる可能性が高まるように思う。


そういうわけでポスターそのものの評価は私も良くないのだが、はてなブックマークの批判コメントの傾向が、よくわからない。人気コメントからいくつか引く。
はてなブックマーク - 社民ポスター「パパは帰ってこなかった」 集団的自衛権:朝日新聞デジタル

id:dnasoftwares 先に同じキャッチフレーズで過労死なんとかしてくれませんかネェ社会党さんよう 2014/07/17

id:RRD 仕事でパパが帰ってこないサラリーマン家庭を先に考えられれば、社民党もこんなことになってなかったんじゃねーの? 2014/07/17

現時点で一番人気のコメントが「社会党」と表記している不思議はさておき、社民党が労働問題にほとんどとりくんでいないかのような認識がよくわからない。

id:lastline 自衛隊そのものに反対だったのに、利用する始末 2014/07/17

ちなみに社民党イラク戦争のころにも自衛隊員の危険を派兵反対理由に加えていた。自衛隊員の危険を訴えることが「利用」というなら、十年以上前から「利用」していたといえる。むしろ一貫性を見いだしてもいいのではないか。
自衛隊イラク派遣の実施要項について(談話)

フセイン元大統領の身柄拘束後も治安は悪化、全土が「戦闘地域」となっていることは明白であり、「イラク特措 法」にいう「非戦闘地域で安全なところ」など存在しないのが実態である。

憲法に違反し、自衛隊員を危険にさらすイラク派兵は直ちに 中止すべきであり、「基本計画」「実施要項」は撤回すべきである。

組織を批判するならば、構成員やその家族にも同じように批判しなければならないのだろうか?
組織の存在を批判すれば、その構成員が犠牲になることを歓迎しなければならないのだろうか?

id:kakaku01 このポスターで本当に支持されると思ったのか?自己満足じゃなくて?/同じ絵で「一週間パパの顔を見てない」とかの過剰労働を批判するポスターの方がよっぽど刺さりそうだ。 2014/07/17

その改変ができるならば、むしろ自衛隊も労働であるという考えがどうして出てこないのだろうか?


なお、エントリタイトルでブラック企業といった言葉を使わずに特定企業を指したのは、渡邉美樹議員が所属している政党を考慮したため。
ブラック企業として有名な会社の経営者を政治家にさせた政党が、末端の自衛隊員個々の生活を思いやることは、あまり期待できないと考える。
シベリア抑留特措法のような実例もある。対立政党の元議員の主張を紹介しておく。
シベリア抑留問題の解決に向けて | 円より子(まどかよりこ) 公式サイト

自民党政権は、民主党などが提出した抑留者を救済するための法案を否決し続け、抑留者の方々に10万円分の旅行券等を支給するという法律で全てを片づけてしまいました。手続きも大変面倒で、3ヶ月も待たされて80歳を超える抑留者の方々に送られてきた総理大臣の「交付状」は日付も総理の名前も入っていないお粗末なもので、憤慨された元抑留者の方々と一緒に私は官邸に抗議に出かけ、副官房長官を説得してきちんとした「交付状」を再発行させました。

民主党による政権交代が実現し、ようやく大変なご苦労を重ね、戦後を生き抜いてこられた方々に対し、社会全体として反省を示し、平均年齢88歳に達する被害者の方々に国として補償する責任を、政治が果たすことが可能になりました。

私は、「戦後強制抑留者問題解決促進議員連盟」を結成し、その会長として、谷博之幹事長ら同僚議員と共に、「シベリア特別措置法案」の成立に向けて当事者の方々や財務当局など、関係者との調整を進めてまいりました。

このたび、与野党が合意のもと、「シベリア特別措置法案」(正式名称「戦後強制抑留者に係る問題に関する特別措置法」)が成立の運びとなりました※。法律の成立自体は喜ばしいことではありますが、抑留者の方々およびご家族の方々のご苦労を思うと、これほどまでに時間がかかったことに対し、本当に申し訳なく思っています。

しかして抑留者は政権交代時期をふくむ長期にわたって軽視されていたし、逆に特措法成立は与野党合意ではあった。
これは特定政党の問題とだけ考えるべきではなく、日本社会全体の問題でもあるとらえるべきだろう。