法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『エウレカセブンAO』第八話 ワン・ネイション・アンダー・ア・グルーヴ(episode:08 blue thunder)

長崎健司コンテ、川崎ヒロユキ脚本。
前回までの基地襲撃は冒頭で言及される。民間企業なのに、下手なロボットアニメの国家機関より主人公を抑えていたから、後半で飛び出す様子も映える。後半でロボットに乗らず生身で降りて、エンジントラブル*1で停泊していたトリトン号を現場から動かさないという間接的な技を選んだ理由にもなっている。
しかし全体的に基地襲撃とは独立した物語が展開して、どちらかといえば繋ぎ話のよう。仲間の心情を知って距離を縮めることと協力して敵を撃破することが一致し、ロボットアニメとして王道の娯楽性を見せた。
敵を倒すよう国際世論を動かした報道が、懸命な取材によるものではなく、完全な捏造であったという皮肉も、この作品らしい毒としてアクセントになっていた。


しかし、ゲネラシオン・ブルの人間関係やそれぞれの思いを主人公が知る内容は、トゥルース襲撃よりも前に描けば、より効果的だったろう。
前回の襲撃や知人の拉致を棚上げして、仲間との良好な関係を築いているため、感情の流れとしても収まりが悪い。結末で皮肉を入れたくらいなのだから、基地が完全に修復されていない状況を主人公が見て、あえて高揚感を冷ますようにすれば、トゥルースが再登場する次回への引きになったかもしれない。

*1:しかし全てが終わった結末で説明するより、停泊した場面で明言するべきだったと思う。主人公がフレアと会話して時間をつぶしている理由が帰還をサボタージュするためとは、初見ではわかりにくかった。