法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『武林クロスロード』深見真著

もしかして:ナポレオン文庫


2007年にガガガ文庫から出たライトノベル。本気でポルノ描写をしているという噂通り、凄い内容だった。
どれだけライトノベルがライトエロスで売っていると揶揄されようとも、堂々と性交シーンを書けば逆に読者から引かれやすいもの。
西村寿行作品とか青少年向けのライトなポルノ小説は昔からあったが、そういう大人の世界を覗き見せるという風でもない。もっとエログロが強烈な伝奇小説を、全体的にライトへ薄めていったという感じ。イラストレイターが筋肉女のフェティシズムに主な興味を持っているらしく、エロもグロも起きている出来事に比して案外あっさりした印象がある。ライトノベルとしては硬質目の文章も、逆にエログロを淡白に見せる効果がある。
何にしても、出てくる男連中は基本的にあっさり退場するし、どんでん返しは一つだけのシンプルなものだし*1、あくまでシリーズ立ち上げの第一巻といったところ。

*1:序盤に退場した少年は再登場するものとばかり。