法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

引用もまともにできない「韓国は“なぜ”反日か?」というサイトが、信用に値しないのは自明

根拠が欠けていても願望にそった主張は信用してしまうという、人間がかかえた欠点をあらわにする道具としては、素晴らしいサイトではある。
最近でも、一部を2ちゃんねるへ転載したものを重ねて転載したブログが、下記はてなブックマークを見てのとおり話題となった。
はてなブックマーク - 韓流がなぜ"駄目"なのか、>>1が淡々と教えてやるスレ:ハムスター速報
はてなブックマーク - 韓流がなぜ"駄目"なのか、>>1が淡々と教えてやるスレ:哲学ニュースnwk
一例をあげると、下記の南京大虐殺否定論は「ここでは簡単なまとめだけで割愛させて頂く」*1と箇条書きした文章をそのまま転載したものにすぎない。

206 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 00:56:36.29 ID:8qI8aKlY0
では、南京大虐殺について。


なぜ突然、『それまで無かった話』が湧いて出たのだろうね?


要するに南京大虐殺とは、


1.東京裁判で日本を悪者にするため。


2.戦後の日本人に自虐教育をするため。


3.日中国交樹立交渉、及び、その後の日中の力関係を有利にするため。


大雑把にはこの3つの目的のために中国が急造したフィクションであり、
得意のプロパガンダ(宣伝工作)のひとつだったと思われる。


南京大虐殺という嘘は現在随分と浸透してしまった。
だが、間違いなく中国の捏造であるとはっきり断言できる。


208 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 00:57:45.31 ID:8qI8aKlY0
南京大虐殺の嘘


「南京戦」という一般的な局地戦があったのは史実だが
「大虐殺」などというものは存在しない。
南京大虐殺とは東京裁判のために作られたフィクションである。


【普通にオカシイ】
・原爆被害者ですら数十万人なのに『一軍隊が30万も殺害』するのは不可能。
・そもそも『20万人しか居なかった街で30万人』が殺されるわけがない。
・仮に南京市に30万人がいたとして、それだけの人数が順番待ちでもしてたかのように 『30万人全員が逃げずに殺される』などという話は現実的にはありえない。
・30万人虐殺の一ヵ月後に『30万人が街に帰ってきたから人口が元に戻った』という中国の主張は不自然で整合性に欠ける。
・死んだはずの南京市で、元の人口相応数の子孫が生まれている。
・中国政府が『30万人は政治的数字だから変更できない』と公言したことがある。中国国内の政治的数字など日本には知ったことではない。


210 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 00:59:37.84 ID:8qI8aKlY0
・『大虐殺』の定義が不明。南京戦という局地戦における戦死者でまともに確認されたのはせいぜい2000人と一般戦闘並み。
それを『大』とするなら妥当な規模ではないし、『虐殺』とする証拠も一切ない。
つまり解決済みの一戦闘をことさら取り上げて日本を攻撃する『事件性がない』。
・日本軍に虐殺動機が全くない。
・物資不足で敗戦を余儀なくされた日本が、敵軍に急襲されかねない緊迫した
 状況下で弾薬を無駄にしてまで一般人を『遊興で30万殺害する説』など異常。
・虐殺後に減るならわかるが『逆に南京の人口が急増してることが不自然』。
・なぜか被害者数が年々『水増し』されている。
・「南京全市民は約20万人が全員無事だった」と、現地の安全区国際委員長から
 日本軍に感謝状が出されている。
・市民が避難した安全区に逃げ込んで一般市民の衣服を奪って
武器を隠し持って日本を騙し撃ちする卑怯な兵隊を「便衣兵」というが、
これらを捕まえて処刑するのは戦時国際法において合法な“戦闘行為”であり
 虐殺ではない。これを虐殺というのは逆恨みでしかない。
・「中国政府の意向に沿った記事を書くこと」を宣言した朝日新聞の自虐的な
 贖罪キャンペーンを受けて、戦後33年も経ってから日本の中学校教科書に
 突然『中国の教科書にさえ載ってなかった大虐殺』が登場することが不自然。
・日本の『敵国である外国人カメラマン』もたくさん南京市に取材に行って
 いたのに『虐殺写真が一枚も撮られていない』。存在しないものは撮れない。
・河に流しても燃やしても痕跡が残るはずの『30万人もの死体が完全に
 行方不明』。何の痕跡もなく人が消えるなどありえない。

どれも根拠のない主張が箇条書きされているだけであって、5年前に見かけた時点で苦笑したものだ。
箇条書きの内容は少し変化しているが、当時にコピペされた文章を反転した「パロ」を2ちゃんねるスレッドから紹介しよう。
世界に広めよう【南京大虐殺】の輪 | ログ速@2ちゃんねる(net)

114 : サヨ@犬隊長 : 2006/10/07(土) 09:25:18 ID:??? [102/357回発言]
【基本情報や軍事常識を知っているのはオカシイ】
・日本軍が侵攻してくる直前に『数十万人が証拠も残さず消失』した。
(南京は百万都市であり、南京事件の直前には相当数の中国兵士もいた。
周辺地域の行方不明者も合わせ、それだけの人数が記録も残さずどこに消えたというのだろう?)
・日本軍は『南京にテレポーテーション』したので、南京以外は戦闘地域ではない。
(日本軍は上海から大きく二手に分かれ、南京に向かって進行した。
だから中国人は戦闘地域から逃れ、非戦闘地域であった城壁都市南京に逃げた。
ちなみに南京は大河でさえぎられているため、そこからさらに逃げるのは困難)
・40万以上より『30万という数字の方が大きい』。
東京裁判では40万人説も提示され、現在主張の30万人説は、むしろ減っている)


【自己申告をそのまま受け入れてもらえないのがオカシイ】
・自国民を虐殺する動機は存在しないし、政策としても誤っていると中共が言ってるから『文化大革命は捏造』。
(合理的な動機の有無と、虐殺の有無は別個の問題。
日本軍の南京侵攻自体が、政府の制止を無視した、軍隊としてはあってはならない行動。
当時の日本軍は規律を守れない軍隊だった)
・相手を便衣兵と勝手に呼べば『誰を殺してもかまわない』。
(日本でも中国でも、当時の記録に便衣兵が日本軍を攻撃したという資料が見つからない。
逃亡時に便衣を着用した例、日本軍が中国人を便衣兵認定して殺していった事例はある)
・『空腹のライオン』は安全だから、檻の中に手を突っ込んでも大丈夫。
(物資が不足していた日本軍は現地徴発にたよっており、モラルがだだ下がりしていた。
占領地から物資を強引に取り上げて、軋轢が生まれないわけがない)
・1941年の中国方面と1945年の太平洋戦線は、『時空が捻じ曲がった』ために同じ年の同じ場所。
(「物資不足で敗戦を余儀なくされた日本が、敵軍に急襲されかねない緊迫した
状況下で弾薬を無駄にしてまで一般人を『遊興で30万殺害する説』など異常」・・・(;・∀・)正気?
中国軍に対しては戦術的には勝てる戦力があり、注ぎ込んでいた。当初は米国からの輸入も出来た。
日中戦争こそ、輸入の道が閉ざされる上に長い戦闘で資源を失い、太平洋戦争の敗因となった。因果関係が逆)


115 : サヨ@犬隊長 : 2006/10/07(土) 09:28:23 ID:??? [103/357回発言]
【写真は撮影されてないし、撮影された写真は捏造と決めたからオカシイ】
・冬に海で泳ぐと凍死するから『寒中水泳なんて言葉は存在しない』。
(ちゃんと、当時を記した日本側資料に夏服を着ていたという記述がある。
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Lounge/3924/article/natuhuku.html
・占領軍は『自分達にとって都合の悪い写真を自由に』外国人に撮影させる。
(「脱北した人々が悲惨な写真を撮ってないから北朝鮮は楽園だ」とでも言うのか?
残された写真の多くは、残虐な内容の物をふくめ、日本側が撮影したものなのは当然)
・南京にいた外国人は『念写』ができる。
(そもそも安全区にとどまっていた外国人が、主に安全区外で起きていた虐殺を撮影することは困難)


【陰謀だからオカシイ】
朝日新聞は日本政府を影から操る『黒幕』。
(検定意見が付き、つくる会の教科書にすら南京事件は記載されているんだけどね。
日本政府の認識も、南京で大規模な虐殺が起きたことを今にいたるまで認めているし)
ナチスは日本と敵対していた、非友好関係国。
ナチスドイツは南京以前から国民政府に軍事協力しつつも、日本とも防共のため関係を深めようとしていた。
その後、東京裁判にいたるまでには枢軸国として協力していたのは一般常識)


>106-110があまりに頭が悪すぎるので、パロってみますた。本気で相手にする気も起きないや。

もちろん反転した「パロ」も、個別には必ずしも根拠を提示していない。しかし、いくつかの箇条書きをよく読めば、根拠どころか論理構成の段階でも問題があるとわかる。
ちなみに「パロ」で取り上げていない部分についても、2004年時点からインターネットでも下記ページを読むことができた。
中国は知らなかったか?


実際にサイトを見ても、信用に値しないことは一目でわかるだろう。いきなりトップページからして下記のような宣言をしているくらいだ。
韓国は『なぜ』反日か?*2

余談や私見を交えつつ経緯や仕組み、現状などを順を追って説明することに挑戦しようとするものです。

私見」と正直に告白しているところは評価してもいい。どこからどこまでが「私見」なのか不明瞭な以上、全てが信用に値しないと判断するべきであろう。


そして個別の主張を見れば、いっそう無根拠ぶりが明確になる。ほとんどの主張に対応する裏づけが示されていない。トップページの「≪参考にさせて頂いたサイト様≫」や、各ページの「≪参考≫」等で、サイトが雑多に並べられているだけ。
トップページの説明では、「上記以外にも文中に種々のホームページ・書籍・雑誌・新聞等からURLや記事等を引用させて頂きました。不都合があればご連絡ください」とある。しかし、サイトのアドレスを載せれば「引用」として充分というわけではないのだ。
なぜ、引用・転載をする際には出典を明記しなければいけないのか - 発声練習

  1. 引用・転載した記述が本当に存在するかどうかを読者が確かめることができるようにするため
  2. 引用・転載した記述が妥当な文脈の下で引用・転載されているかを読者が確かめることができるようにするため

自分がある事柄について述べていないということを証明するのは非常に難しい(「無い」ことの証明は「有る」ことの証明よりも数段難しい)。なので、引用・転載する方が、出典を提示する義務がある。そうでなければ、我々の社会における様々な交渉事がとんでもないことになる。

どの主張が何を根拠とし、どの写真をどこから引いて、どの文章が何から引用したのか、「韓国は“なぜ”反日か?」は明記していない。そうして検証されることを妨げている。もちろん参考とした各サイトの信頼性についての評価も書かれていない。
きちんと根拠を引かない態度は、典型的なデマサイトと語るに落ちているようなものだ。


しかも「≪参考にさせて頂いたサイト様≫」を見れば、外務省サイトも紹介されている。

外務省
ttp://www3.mofa.go.jp/

先述した「パロ」でも言及していたように、外務省が南京事件の実在を認めていることは昔から有名なのだ。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/taisen/qa/08.html

日本政府としては、日本軍の南京入城(1937年)後、多くの非戦闘員の殺害や略奪行為等があったことは否定できないと考えています。

つまり「参考」とされた中で、おそらく最も信用性が高い部類に入るだろうサイトからして、「韓国は“なぜ”反日か?」と相反する内容が述べられている。アドレスを並べただけでは引用として不充分だと理解していただけるだろうか。

*1:http://peachy.xii.jp/korea/korea3.html

*2:以下の引用で一部の改行を排した。