アニオタが非オタの彼女にアニメ世界を軽く紹介するための10本
■アニオタがまどかオタの彼女にアニメ世界を軽く紹介するための10本 - Togetter
あわせてお読みいただければ幸いです。
まあ、どのくらいの数のアニメがそういうエバからゲッタウェイできるかは別にして、
「オタアニメではまったくないんだが、しかし視聴者のオタ趣味を肯定的に黙認してくれて、
その上で全く知らないセカイ系とはなんなのか、ちょっとだけ好奇心持たせてくれる」
ような、ヲタの都合のいい妄想の中に出てきそうな作品より、ただアニメの話題性を楽しむために
見るべき10本を選んでみたいのだけれど。
(要は「村崎百郎のゴミ漁り」の正反対版だな。周囲にエバを布教するのではなく
相互のATフィールドの線引きとして)
あくまで「線引き」なので、時間的に話題性が持続しない、クールが終われば忘れられるアニメは避けたい。
できれば現在まで、短くても完結後2年間は話題が続くよう定めたい。
あと、いくらアニメ史で凌駕といっても新しさを感じすぎるものは避けたい。
映画好きが『アバター』は外せないと言っても、それはちょっとさすがになあ、と思う。
そういう感じ。
凌駕の基準はアニメ知名度はいわゆる「テレビまんが」的なものを除けば、ダイコンフィルム程度は超えている
サブカル度も高いが、頭はけっこう悪いという条件で。
まずは俺的に。出した順番は実質的には意味がない。涼宮ハルヒの憂鬱(石原立也団長代理)
まあ、いきなりここかよとも思うけれど、「京アニ以前」を濃縮しきっていて、「京アニ以後」を決定づけたという点では
外せないんだよなあ。時間ループも8回だし。
ただ、さかのぼってムント様に期待してしまうと、京アニへの信頼が崩れるかも。
この作品外の話題過多で、どれだけさらりと、嫌味にならず濃すぎず、それでいて必要最小限の情報密度を視聴者に
伝えられるかという作品は、京アニの「真のクリエイション能力」の試験としてはいいタスクだろうと思う。劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者(水島精二監督)、少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録(幾原邦彦監督)
アレって典型的な「アニオタが考える社会学者にエバより受けそうなアニメ(そうガチオタが思い込んでいるだけ。実際は全然受け入れられない)」そのもの
という意見には半分賛成・半分反対なのだけれど、正面からエバにぶつけて確かめてみるには
一番よさそうな素材なんじゃないのかな。
「映画ファンとしてはこの二つはAir/まごころを、君により社会派だと思うんだけど、率直に言ってどう?」って。コードギアス反逆のルルーシュ(谷口悟朗監督)
ある種の中二病患者が持ってる能力への憧憬と、CLAMP原案のオタ的な嗜好へのこだわりを
調査し結果を出すという意味ではいいなと思うのと、それに加えていかにも谷口悟朗な
「ゼロ年代的なださカッコよさ」を体現するルルーシュ
「ゼロ年代的に好みな女」を体現するカレン
の二人をはじめとして、オタ好きのする人間を世界にちりばめているのが、紹介してみたい理由。ジャイアントロボ THE ANIMATION 〜地球が静止する日〜(今川泰宏監督)
たぶん敵を見たアニオタは「バビル2世だよね」と言ってくれるかもしれないが、そこが狙いといえば狙い。
この系譜のスタッフがその後エバに続いたこと、これが前世紀では大人気になったこと、
過去には実写テレビドラマになって、その影響がアニメ界に再波及されてもおかしくはなさそうなのに、
今のアニメではこういうのがつくられないこと、なんかをロボオタと話してみたいかな、という妄想的願望。クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲(原恵一監督)
「やっぱりアニメは子供に受けてなんぼだよね」という話になったときに、そこで選ぶのは「ポケットモンスター ミュウツーの逆襲」
でもいいのだけれど、そこでこっちを選んだのは、この作品にかける原の思いが好きだから。
断腸の思いでEDから削っても明日からもこうして生きていくだろう、っていう郷愁が、どうしても俺の心をつかんでしまうのは、
その「捨てる」ということへの諦めきれなさがいかにも原だなあと思えてしまうから。
タワーの背景動画を俺自身は枚数過多とは思わないし、もう削れないだろうとは思うけれど、一方でこれが
庵野や本郷だったらきっちり3DCGにしてしまうだろうとも思う。
なのに、各所に頭下げて迷惑かけて手描きで作ってしまう、というあたり、どうしても
「過去の作品を形作ってきた技術への敬意が捨てられないオタク」としては、たとえ原がそういうキャラでなかったとしても、
親近感を禁じ得ない。作品自体の高評価と合わせて、そんなことをアニオタに話してみたい。ブラスレイター(板野一郎監督)
まどか視聴層でゴンゾ見たことのある人はそんなにいないと思うのだけれど、だから紹介してみたい。
まどかよりも前の段階で、虚淵の哲学とかアニメ技法とかはこの最終回で寝ながら凌駕していたとも言えて、
こういうクオリティの最終回がテレビアニメでこの時代にもかかっていたんだよ、というのは、
別に俺自身がなんらそこに貢献してなくとも、なんとなく駄ニメ好きとしては不思議に誇らしいし、
いわゆる鬱エロゲライターでしか虚淵を知らない彼らには見せてあげたいなと思う。カレイドスター(佐藤順一監督)
佐藤の「音」あるいは「立ち上げ」をオタとして教えたい、というお節介焼きから見せる、ということではなくて。
「できる範囲で最大幸福をめざす」的な感覚がまどかには共通してあるのかなということを感じていて、
だからこそ『ハートキャッチプリキュア!』最終話はカレイドスター以外ではあり得なかったとも思う。
「祝祭化した日常を観客席で見る」というオタの感覚が今日さらに強まっているとするなら、その「オタクの気分」の
源はカレイドスターにあったんじゃないか、という、そんな理屈はかけらも口にせずに、
単純に楽しんでもらえるかどうかを見てみたい。機動戦士ガンダムSEED(福田己津央監督)
これは平井久司だよなあ。平井が腐を惹くか否か、そこのスリルを味わってみたいなあ。
こういうジュベナイル小説風味の設定をこういうかたちでアニメ化して、それが今のオタに受け入れられるか
気持ち悪さを誘発するか、というのを見てみたい。ヱヴァンゲリヲン新劇場版(庵野秀明総監督)
9本まではあっさり決まったんだけど10本目は空白でもいいかな、などと思いつつ、便宜的にヱヴァを選んだ。
ハルヒから始まってヱヴァで終わるのもそれなりに収まりはいいだろうし、アニメバブル崩壊以降のパチ提供の先駆けと
なった作品でもあるし、エヴァを超えられるのはヱヴァだけなのだろうけど、もっと他にいい作品がありそうな気もする。
というわけで、俺のこういう意図にそって、もっといい10本目はこんなのどうよ、というのがあったら
教えてください。
「駄目だこの一般人は。俺がちゃんとしたリストを作ってやる」というのは大歓迎。
こういう試みそのものに関する意見も聞けたら嬉しい。
追記
私だったらタイトル選んで紹介されるより、一緒にツタヤ行って「どのへんいけそう?」とか聞いて自分で選ばせてほしいな。
何選んでもバカにしないで、内容解説してくれたら彼を尊敬する最終的に狙うのは、まさにカレカノ状態ですね。
このセレクションのキモって、「涼宮ハルヒ」のところで書いているように、あくまで
「スタッフがライトオタのためにどこまで労力を使わずにアニメを楽しませるか」
そのクリエーション力テストの意図なんですよ。
『新世紀エヴァンゲリオン』と方向性は真逆だけど、狙っていることは同じ。
それができそうなのが私の場合この10本ということであって、シチュエーションとしてはまどかオタが
「ちょっとまどか以前のアニメのことが聞きたいんだけど、何を見たらいい」と聞いてきた場合を想定しています。ギアスのほうがディープ層が引く(゜Д゜)!
ディープ層を嫌悪させずに見せられなかったら、なんのためのヒットだよと。
目指せ月9!という気概で。シャンバラを征く者よりハガレンFAの方が口当たりは良さそう。
他に甲殻SACやドラえもん(長いが)等のSF物も無難かな。『ハガレンFA』は忠実な原作展開が人を選びなさそうなので、それよりは変則的で引っかかる會川脚本を。
女性主人公のSFアニメはいいと思うんですね。SACは最終候補に残しましたし、舞HiMEも
Fateとの比較という点で、長くなければぜひ入れてみたかった。
(10本目からSACを外したのは、ゼロ年代テレビアニメで一番非オタにとって見応えのあるものだと思うがゆえに、
逆にここに入れなくてもいいかなという理由で)リメイクより原点を先に見せてはどうか?1年以上もアニメを続けて待つのは辛いと思う
アニメを見るなら影響関係でなく好きな物の系統にそったから攻めるべきだと思うあえて『ヱヴァ』以外は続いていないアニメを並べたんですけどね。
シャンバラもオトナ帝国もSEEDも、完結してる範疇でしょう。
だからヱヴァに乗り気じゃなかったのかな俺は。
連続ものについては、なにも短期集中でなくともいいと思う。
興味がなくなれば自然と見なくなるし、逆に興味が出れば自分からみたがるもんだろうし、
そこそこなら忘れないうちに続きをゆっくり見ればいいんだし。
後段については、それ故に「まどかオタから言い出した」という設定にしているというのもありますね。
若年オタが積極的に興味のないものを、いかに老害オタ的暑苦しさ鬱陶しさを抜きにして、かつ
セカイ系の魅力をあっさりと受け入れてもらうか、そのセールストーク的クリエーション訓練が主眼ですから。
基本は「脱エバ」方向なんですよこれ。「老害が見せたいもの」と「若年が受け付けるもの」の間には、どこかに根本的な差があるような。
これってまさにその確認をするための作業なんですよね。
もしそこで「差がない」と思いこんでしゃべったら、たぶん断絶一直線だろうし。
むしろ、差があることを認めてこそ、先輩と後輩が相互に肯定しあってうまくやっていけるんじゃないかと
そういう期待はあるんですけどね。脱エバとは、アニメ語りをやめることではないと思ってます。そいつは素敵すぎるぜベイベ。その狂気に触れ共感しつつ、あくまで正気を保ちたいぜ。
そんなファイナルシュートみたいな珍妙な作品あるわけ無いでしょ?
10本程度では酵母が糖をかもす程度で酒精が造れるようになるかというとどうか?普通に克己心が強いだけなんだけどな。そして染まりはしないが克服しようという気はあると。それだけの作品だよ。
それに、誰も10本で酒の味を塗り替えようなんて言ってはいない。だから「軽く凌駕」なんだし、きっかけ、入口。
『ミスター味っ子II』で偏見を直した合成調味料の豆腐みたいなもん。あるいは今の漫画なら『もやしもん』。基本目が大きくて等身が細めのアニメが中心だな。
「いってしまったわ」の元ネタを教えるためだけにまどか全12話を見せた人を知っている。そいつが二次元嫁のネタにしてた。まあ、非萌えに踏み込む必要はないしね。後半はそれこそ「円環の理に導かれて」だよな。
お勧めされると逆に引く
いや、コメンドでは全然ないのだけれど。
「オタが考えるまどかオタのためのアニメ十選」っていう企画じゃない。……なんでヱヴァ?
ハウルの動く城くらいで。
つーかムリにヒットなぞ基準にせんでもええやん。だからヱヴァじゃない10本目、いいものあったら教えてくださいと書いたわけで。
ハウルの動く城はどうしても「ジブリ」という枠があるので、先入観のないものを。
別にヒットでなくとも、打ち切りでもなんでもいいと思います。今回はたまたまヒットだと。…(^ω^;) ((((((^ω^)
そう言いたくなる気分はわかる。けど、ここで目指しているのはぺろぺろからの脱却。
パンツかパンツじゃないかはこの際おく。オタ以外に売れてると思ってるから書いた。愚の骨頂
ライトオタ商売はある作品の売り上げを伸ばす一つの方法でしかないわけで、それを許せなくなったらアニメを趣味にする必要なくね?ライトオタ顧客を捨てたわけじゃない。けれどそれは作品個々のもので、視聴者にそれ以外を知ってもらったり
まして共有してもらう必要は感じるだろ。
けれど、彼らがそういう作品の存在を許容してくれるなら、彼らに理解できる範囲で、俺のもつ好みを
紹介するのと同義で、アニメを知ってもらいたいということ。
彼らがガチオタじゃあ意味がない、けれどせっかく自分と違うものの見方をしてるのに見守ってくれてるだけじゃ勿体ない。
彼らの感性を汲み取り、俺のイントロデュース能力を向上させたい。
それくらいの貪欲さは持っていたいものだなと思ってる。
結果として彼らによって俺のイントロデュース能力も引き上げられたらいいな、という期待を
もつくらいには貪欲でありたいなと思っている。
(「イントロデュースの目的は……!」ということ。
御指摘を受けて、改めました)映画なら『マインドゲーム』はどうだろうとマジレス
むしろそういうほうがアリかも。ありがとうございます。
あと、同監督の最新作はhttp://d.hatena.ne.jp/hokke-ookami/20110128/1296232525等に感想を書きました。うへー……。
結局「俺の」「能力」なのか。お気持ちはよくわかります。私の書き方が悪かったですね。
そこで期待しているのは所詮は短期的効果に過ぎません。
そこに期待してもいいだろう、程度のもので、それを得ようという強固な目的意識まではない。そこであえて「これって夫妻が女の子に贈ってしまう平井なんだよね」と前置きして贈るってのは
どういうもんなんだろうなと。「ソープに行け」的作家のロマンなんだけどね。
そこでそういう風俗を面白がることのできる人もいるだろうけど、それがどういう面白がり方かと
考えてみると、あんまりいい結果になりませんよね。話題性のためにアニメ作ってるわけじゃないんだから、好きな作品を評価したらどうかな
全部いろいろな意味で好きな作品からのチョイスですよー。
「話題性のため」だったら『Angel Beats!』が確実に入るし、そんなリストはそもそもこっそり出すものじゃないです。種明かし……だよね?天然で書かれたものならあまりにも能天気。コピペなら種明かしなしの方が完成度高い。
この場合、どちらともとれるような書き方がいいのかなと思いまして。
アニメ業界でも議論あるのに…。主人公が男の子の方がエバ超えできて良いんじゃないかな。
そりゃそうです。だから「俺の10本」でしかあり得ないし、「他人の10本」が知りたいです。
そして、男の子が主人公のアニメで今の思春期が感情移入できるものって、かえって少ないような気がしています。
そこの議論こそ、大切ですよね。そんな作品できたらあずまん終了だろJK。社会現象居るならアニメ語りよりやる事たくさんあるだろうが。
全くです。返す言葉もありません。
だから、見られることなくパッケージ内に入れたまま新古書店まで持っていくアニメのリストに結果としてなってしまってもいいんです。順番に意味はないって書いたじゃん/あんなもん「見ればわかる」なんて思ってるやつの方が希少でしょ。
あれこそ正に「見て比べてしゃべる」ためのアニメだし。だからここに入ってるんだし、理解できそうもないなら打ち切ればいいだけ/
togetterには「シムーンもエヴァを凌駕した」ネタがありましたよ。「ゆるふわ愛されまとめ」なものでしたけど。