法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『少女革命ウテナ』の演出家座談会で語られた、監督の方針が興味深い

薔薇物語 「デュエリストは踊る。」 錦織博×橋本カツヨ×風山十五 座談会

風山:監督が、みんなに与えるヒントがよかったなという気はしますよね。

――ヒントですか?

風山:僕がよく言われたのは「道徳的なことをなるべくしたくない」という事だったんです。世間一般でいうところの良識というのを排除したいと。だから、ある程度、自分の理性を殺してやらなくてはいけなかった。

しかし出来上がった『少女革命ウテナ』は、コアなフェミニストからも評価されるような、政治的な正しさを読み込める作品になった。逆に考えると「道徳的」「世間一般」「良識」というものが、いかに政治的に正しくないものであるか、ということに通じる。
あるいは、出崎統監督や、近年のクリント・イーストウッド監督作品が娯楽映画をつきつめることで娯楽の限界や問題まで内容に取り込み、結果として政治的な正しさをも獲得するようなことにも通じているかもしれない。
まだ考えをまとめていないのでメモにとどめておく。