http://d.hatena.ne.jp/aureliano/20080703/1215052052
跳訳・宇宙空母ニホンバシ - 安寿土牢 - ファック文芸部
SFらしい意外性を感じたのは『宇宙戦艦アキバ』だった。
……いやもちろん、途中でいきなり「特攻」と「チキンゲーム」が混同された破綻*1による意外性だろう。もし、ていねいに伏線を張っていれば、意外性はずっと小さかったはずだ。
それでも、テレパシーを用いる敵に対し、わざと異常な思考を読ませるという展開は、ありきたりすぎる。たとえば十年前の子供向けアニメ映画『クレヨンしんちゃん 暗黒タマタマ大追跡』でも似た描写があった。類例の妖怪マンガも持っている。今の時代にSFとしての面白味はさほど感じない。目のつけどころだけは『宇宙戦艦アキバ』が勝っている。
何より、『宇宙空母ニホンバシ』は中盤の「対テレパス作戦」がアイデアも描写もSFとして面白く、終盤を超えてしまっている。テレパシーに特攻で対抗するアイデアを中核に持つ『宇宙戦艦アキバ』への返答としては、少しばかりのずれを感じた。
……なんだか無料で公開してくれている作品に文句ばかりつけているようで、自分もネット小説を書いている身として心苦しかったりもする。
*1:混同批判をふくむ前回の感想。http://d.hatena.ne.jp/hokke-ookami/20080704/1215295531