核施設に対し査察を行い管理しようとするIAEAと、核開発を続けたいイランの攻防が中心。
査察する範囲や管理しようとする方法をいかにイラン側が押え込もうと詭弁をろうしていく過程という内容に一見すると感じる。しかしIAEAの主張を中心に構成しているため、この番組だけでイランを批判するのは難しい。
むしろ番組の主題は、イランの核問題ではなく、それに象徴されるIAEAの弱い立場にあるのだろう。特に、足を引っ張ろうとしたいかのような東西主要国の動きは情けない。番組公式ページでも「国際社会の反対を無視し、核実験を強行した北朝鮮と核開発に邁進するイラン。核保有国に二重基準で対応し、核管理体制を足元から揺るがすアメリカ」と、一国の問題ではないことが強く言及されている。
IAEAは平和利用という形で原子力を推進する立場であり、チェルノブイリ事故等では被害を過小評価しているという批判もある。しかし核兵器の拡散を防ぐ政治的な交渉を続ける姿勢は評価するし、現場の様子も興味深い。