デジタルリマスター版をテレビで視聴。すっかり古典なアクション映画。
作品内容それ自体が示すように、頭の良くないスタッフが頭を使ってがんばった映画。一つ一つの小道具は荒くても、多量に投入したことで緊張感が続き、いくつかは上手く狙いが当たっている。伏せた写真立てのサスペンスは良くできているし、主人公と犯人と警官のやりとりが互いにつつぬけという状況も面白い。
犯人をテロ組織からも除名された者にして、金目当てとすることで政治性を抜いてゲームに徹した態度も正しい。
しかしヘリコプターに乗った警官側狙撃手にベトナム戦争を触れさせたり、警官のトラウマ原因に対する克服がアレであったり、安直といっていいほど単純な家族回帰ドラマで終わったり、ちょっとむずがゆいところはある。政治的に無邪気でありつつ、皮肉を前面に押し出しているわけでもないだけに、ちょっと危ういなと思ってしまうのだ。
