法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

絶滅危惧種を薄利多売するマジック

ざっくりまとめると、すでに希少な資源だからこそ投機対象となっていて、値動きを操作できる段階に入った、といったところ。
http://mainichi.jp/select/news/20130719k0000m020062000c.html

 稚魚の不漁でうなぎの価格が高騰する中、22日の「土用の丑(うし)の日」を前に、大手スーパーの一部でかば焼き値下げの動きが出てきた。今年も不漁が続くと見込み、うなぎの卸価格が安くなる昨秋の段階で大量仕入れに踏み切ったのが「値下げマジック」のからくりだ。

 ダイエーは13〜15日の3連休に全店舗で、昨年は1980円だった「鹿児島県・宮崎県産 うなぎ蒲焼(かばやき)(大)」(約160グラム)を約2割値下げの1580円で販売。売り上げは前年同期比約2倍と好評だった。20〜22日の3日間も再び特価で販売する。セール第1弾が評判を呼んだため、「売上高はさらに増えそう」(ダイエー)。宣伝効果も大きく、店舗によっては別の日も特売を行う。

 不漁が続き、今年のうなぎの稚魚は過去最高の1キロ248万円と、比較的豊漁だった2009年の約6.5倍の高値で取引され、小売店でのかば焼きの価格も、この間に約23%上昇した。にもかかわらず値下げできたのはなぜか。

 ダイエーは今夏をにらみ、昨年のシーズンが一段落した秋口から動いた。例年、7月商戦用のうなぎは、1月以降に購入するが、ダイエーは「稚魚の不漁は続く」と見て勝負に出た。シーズンを終えた秋に卸価格が下がるタイミングを見計らって大量に仕入れ。うなぎが高騰した昨夏は消費が落ちこみ、養殖業者の在庫が積み上がったのも有利に働いた。閑散期の食品工場で加工してコストも抑制。仮に今年が豊漁なら、卸価格も下がり、昨秋の仕入れは割高だったことになるが、「相場を見通す経験がものを言った」と胸をなでおろす。

 このほか、西友が大量仕入れでコストを削減。東日本で扱うかば焼きを昨年の1390円(約143グラム)から大型化(約167グラム)して1470円にし、実質値下げした。【西浦久雄】

需要と供給の傾向がこれからも変わらないままだったら、この先物取引で失敗することはないだろう。「相場を見通す経験」などなくても、希少になりつづける資源ということに変わりはないのだから。
さらにいえば、減少しつづけている他の漁業資源でも同じ「マジック」が使われて、見せかけの低価格が維持されかねない。