「人間あやつり機」は、おつかいをたのまれたのび太がドラえもんに押しつけようした。そこでドラえもんが自動的におつかいができる秘密道具を出す。そして寝ているパパにやらせることを思いつき……
前期原作を2005年リニューアル以降で初アニメ化したが、秘密道具は2017年の高橋敦史コンテのアニメオリジナルストーリーで映像化ずみ*1。今回は村山功脚本、金子伸吾コンテ、粟井重紀演出と、やや新しく参加したスタッフがならぶ。
原作からしてパパが秘密道具にふりまわされひどいめにあうパターンのひとつなので、ほぼ忠実に映像化したことで原作以上の驚きはないが、映像作品としてはそこそこ楽しめた。
バレエの動きを秘密道具のロッドごとていねいに作画していて感心。ふたりがからむ作画はさすがに難しいのか止め絵になったが、それもそれらしいポーズで作画できていたので許せる。
マラソンの暴走で車道をいくアニメオリジナル描写もさまざまな種類の自動車を描写していて悪くないし、ゴールテープあつかいされた計測器具が道路端ではなく工事現場内になっていて格闘戦につながる流れもスムーズ。
「けしきカッター」 は、風景画を描かなければならないのび太にドラえもんが協力するが、周囲の視線が気になってのび太は集中できない。そこでドラえもんは風景を切りとり持ち帰って絵を描かせようとするが……
後期原作を2005年リニューアル以降で初アニメ化。先々週につづいて宿題の下手な絵ネタを善聡一郎コンテで映像化した。
原作以上にさまざまな景色をしっかり描いて、平面状に切りとった時にはテクスチャをはりこんで、背景美術や撮影のスタッフが苦労した分だけ面白くなっていた。
物語はほとんど原作に忠実だが、真相が先生にばれる瞬間で終わる原作と違って、先生が激怒する場面まで描いて結末のキレはイマイチ。