法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『世界まる見え!テレビ特捜部』ハラハラ! ドキドキ! もう目が離せない! ギリギリSP

ボーダーセキュリティーと裸のジャングルはひさしぶりの放送。良いネタが来るのを待っていたためか、どちらも過去に紹介された水準を超える面白さ。
カナダから米国に来た男ふたりぐみはマリファナを嗜んでいるらしい。吸うことは合法だが栽培などは違法で、自動車をしらべるとマリファナ臭いし、苗を選別する道具も見つかった。しかし道具は新品でマリファナの現物は見つからず国境通過を許可。男ふたりはまだ違法なことはしてないから当然とうそぶく。ナイジェリアから来た女性はひょうひょうとした態度で、大量の衣服や靴のつまった荷物をさしだす。税関は怪しがるが何も出てこず、ビニール袋の白い粉は塩でボトルの液体はソース。女性は税関は仕事をしているだけとたたえて、堂々と出ていった。
裸のジャングルは父の形見の虫眼鏡をもちこんだ女性と、ナタをもちこんだサバイバル教室のヴィーガン男性がサバイバル。ブラジルのレンソイス国立公園は砂漠だが、降雨が砂丘のくぼみにたまり、水だけは容易に確保できる。しかし女性は虫眼鏡をつかった日光殺菌や日光調理にこだわり、昼に食糧をさがして移動することで体力を浪費して、体臭のきつい男性に激怒する。一方で男性は昼は協力してつくった寝床から動かず、ヴィーガンだからと見つけたバッタは女性にさしだし、ケンカわかれしてからもナタをこころよくさしだす。そんな男性となかなおりした一時間後に女性は脱水状態で倒れてドクターストップ、男性は残した体力で13km先の合流地点へ移動してサバイバル成功。女性のヒステリックさもヴィーガンの鷹揚な態度もステロタイプだが、サバイバルドラマとしては順当。


最後は1950年代にハリウッドの潮流を変えたカリフォルニアの飼育者ラルフ・ヘルファーと、家族のように育ったライオンのザンバを紹介。
サーカスや動物園で殺処分される予定の動物をひきとり、カリフォルニアの牧場で飼育していたラルフ。そこにアフリカの野生のライオンの子供がやってきて、いっしょに生活することに。ザンバは他の獣とも仲良く温和に育った。ムチ打ちで調教することが当たり前だった時代に、なでるためとエサをやるためだけに手をつかったラルフにより、ザンバは群衆を前にしたパレードの見世物も映画撮影も難なくこなす。
やがて映画『ライオン』で少女とふれあう場面や、原住民がとっくみあいをする場面を、別撮りを考えていた監督を説得して実際に撮影することに成功。とっくみあいはラルフが原住民を黒塗りで演じてスタントマンとなった。
検索すると1962年の映画らしいが、DVDは出ていないらしい。番組では楽しげな場面ばかり紹介されたが、KINENOTEを見ると実際は悲劇的な内容らしい。
www.kinenote.com
いちやくザンバは映画スターとなり、ハリウッドの動物調教の方針も変化させたが、カリフォルニアの記録的な豪雨で牧場は壊滅。行方不明になったザンバは他の獣を守るように丘の上にいたところを見つけたが、ラルフは他の動物をてばなすことに。そしてザンバだけを家族として残し、18歳のライオンとしての天寿をみとった。現在はザンバの故郷ケニアに住んでいるという。
ちなみにラルフの名前で検索すると、番組では結婚して娘を生んだと紹介された調教師トニ・リンゴとは後に離婚したという。友人関係はつづいているそうだが、どうりで現在の姿は娘しか登場しないわけだ。またラルフは牧場壊滅後も動物公園を買いとって運営したり、米国農務省から虐待の疑いをかけられるも獣医師によるトラの薬物過剰摂取死以外は訴えをしりぞけたり、ドキュメンタリが紹介しなかった時代も興味深いところのある人物らしい。