シークレットセブンという謎めいた犯罪集団がルパン一味にちょっかいをかける。どうやら脱出不可能とされたアルカトラズ監獄に隠された歴史と関係があるらしいが……
2001年に放送されたTVSP。『ルパン三世』のアニメでは珍しく原作に原型的なエピソードがありつつ、当時のTVSPらしい史実から着想した冒険活劇の色が濃い。監督は『1$マネーウォーズ』にひきつづき殿勝秀樹がつとめた。
同時代に視聴して録画もしたが、今石洋之のOPで期待させながら本編の作画でガッカリした印象と、終盤に敵が階段で逃げる時に必然性のよくわからない背景動画があった印象しかなかった。
あらためて見返したところ、坂道のケーブルカーをつかったカーチェイスは長くて銀行突入に長めの背景動画をつかっているところと、最後にアルカトラズが崩壊する描写に悪くない爆破エフェクト作画を大規模に楽しめたところは記憶より良かった。
しかし本編がイマイチという評価は変わらない。
まず何より問題なのが、主人公側に余裕がありすぎて緊張感がないこと。敵に利用され強要されてしまうのは峰不二子だけ。7人もいる敵に、戦闘でも策略でもルパン一味が常に上回って、すぐに危機を乗り切ったり逆に利用してしまう。さらにクライマックスで、サングラスをかけた名前もないCIAの工作員たちが暗躍して爆弾をしかけて全てを破壊することで、シークレットセブンという敵の格の低さを決定づけてしまう。
犯罪者の子供があつまって国家的な陰謀に抵抗しようとする設定や、シークレットセブンのボスが現場で汗をかきながら混乱のなかで札束をこっそり盗もうとして銭形に注意されたりと、見返してみるとそもそも強敵と位置づけられていない気はしたが、それで緊張感のある戦いを楽しめるはずがない。より大きな敵たるCIAにルパンたちが一杯食わせるわけでもない。
シークレットセブンのボスの正体は見えすいているとはいえ、ルパン一味を騙してこっそり笑っている口元をクローズアップするコンテも、視聴者をバカにしているのかと思ってしまう。TVSPはモニターに視聴者を集中させることが難しいので、あえてわかりやすくする判断も理解はするが。
JFK暗殺とアルカトラズ閉鎖をかさねた陰謀論はエンタメとしては楽しいバランスにとどめているし、アルカトラズの地下にある大規模な犯罪者の楽園は情景として楽しいが、前者は当時でも新鮮味はないし、後者は最後の最後に登場するだけ。たとえば犯罪者の楽園は途中で拉致された峰不二子が自分のいる街が本物ではないと知って驚く場面を入れたりして、虚実のいれかわりなどを描くこともできただろう。
