法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『想いのかけら』

東北の漁師街で、フィギュアスケートの練習にはげむ中学生の少女たちがいた。大会で優秀な成績をおさめれば、他県に行って大きなスケートリンクが使えるという。
そのひとり、父親とともに仮設住宅で暮らしている佐藤陽菜は、親友だった木村みちると再会。ふたりで小学校から掘りおこされたタイムカプセルを見に行き、読めなくなった手紙と謎のリボンを受けとる。


東北支援のため福島ガイナックスが制作したNHKオリジナルアニメ。今回は25分版が初めて全国放映された。5分版は何度か隙間時間に放映され、2分版は公式サイトで常時公開中。
「想いのかけら」(おもいのかけら) | NHK東北
監督脚本コンテ演出は『放課後のプレアデス』の佐伯昭志監督。復興途上で変化をつづける地域を映しつつ、苦しみや悲しみは正面から見せない。津波があふれるような、被災者の記憶を刺激するような場面は慎重に避けている。
主人公が仮設住宅に住んでいることも、母親の写真が仏壇にあることも、多くを語らず自然な情景として見せていく。手紙やリボンとからめて母親の記憶も出てくるが、あくまで主人公の今を支える「想いのかけら」として示される。
同時に、地域社会を大切に描きつつも去りゆくことを否定はしない。主人公の佐藤にしても、故郷を大事に思う記憶に支えられつつ、外に出るためフィギュアの大会にのぞむ。


ガイナックスから人材が流出しているとは聞くが、なかなか作画は安定していたし、背景美術もアニメの映像になじんでいて、悪くはなかった。
問題は3DCGキャラクターで、港を飛びかう海鳥は悪くなかったが、フィギュアスケートの描写は良くない。作画との頭身の違いが気になったし、ロングショットですら顔立ちのモデリングが粗いことがわかってしまう。


ちなみに周囲の少女は佐藤とペアで滑りたがり、街を去る木村は佐藤へラブレターを渡そうとする。

     *      *
  *     +  どちらも冗談半分の描写です
     n ∧_∧ n
 + (ヨ(* ´∀`)E)
      Y     Y    * 

いや5分版を視聴した時も感じたが、実際かなり百合百合しいアニメではあった。