法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』第12話 暗礁

海賊に弟がいることを知ったアキヒロは、助けることに協力するようミカヅキにたのむ。一方、人権をうばわれてヒューマンデブリと呼ばれる奴隷となった弟たちは、自身が人間であったことを忘れていた……


西澤晋コンテに根元歳三脚本で海賊ブルワーズとの再戦。デブリが集まっている理由の説明とあわせて人工重力の設定を説明しつつ、いざ戦闘が始まるとアキヒロとミカヅキの対比に注力。戦況を俯瞰して思惑の交錯をえがく鴨志田一脚本とはまた違って、今回は詩情あふれる良さがあった。
アキヒロの弟への思いは可能なかぎり助けつつ、ミカヅキは敵を殺すことにためらわない。行動の線引きがはっきりしていて、その行為を肯定するにせよ否定するにせよ物語の基盤として安心できる。
ただ、弟との断絶はひとつのパターンながら意外性あって良かったが、ウェットに尺をつかっていたのは好きではなかった。それに、ミカヅキと思想こそ違っても同じ戦場にいることを示すため、イメージ優先の演出は抑えてほしかったな。実際、最後につきはなした心象風景カットよりも、デブリのなかを人型兵器で抱きあうように落ちていくカットが、ちゃんと作品独自の情景らしくて印象深かった*1

*1:キャプチャ画像はMBS公式サイトの配信で19分45秒ごろ。