法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』第28話 夜明け前の戦い

宇宙にあがり、海賊団との艦隊戦にいどむ鉄華団。そのためにギャラルホルンとの協力をも選択する。
しかし戦力差で優位に立ったはずの鉄華団は、海賊団の奇策によって苦戦をしいられることに……


1期の戦闘回で何度も楽しませてくれた鴨志田一脚本らしい、全編戦闘で状況が変転しつづける。さらに大張正巳メカ作画監督で、手描きされたMSの激しい戦闘が続く画面は楽しかった。きちんと母艦に戻って修理や補給をくりかえす後方のディテールも充実し、それが主人公の技量を実感させるようなドラマにもつなげている。
しかし、作戦の読みあいという観点では期待より薄かった。分散していると見せかけて背後に宇宙船を牽引していた海賊団は良かったが、鉄華団は個人だのみの力押しで、そこそこ状況をくつがえしてしまう。
何かを隠していたギャラルホルン側の事情も、それなりに納得できる真相だったが、そのまま主人公側を助ける展開につながったのは好みではない。最後に三すくみに似た形にはなったが、鉄華団ギャラルホルンの余裕のある状況での手柄あらそいに近くて、緊迫感は生まれない。
今回の海賊団との戦いは、鉄華団ギャラルホルンが新たな関係を結ぶための踏み台。そんなシリーズ構成の事情が透けて見えたのが残念。