法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

米大統領との会談で謝ったと、安倍晋三首相は共同記者会見で語った→辻元議員から国会で問われて謝っていないと答弁した→辻元議員の質問趣意書への答弁書で、会談で謝ったことを認めた→神本議員から問われて、謝ったのは記者会見でだけと答弁した→やはり会談で謝ったことを官房長官が認めた(NEW!)

朝日新聞が報じている。
http://www.asahi.com/politics/update/0522/TKY201305220358.html

 菅義偉官房長官は22日の記者会見で、安倍晋三首相が2007年の日米首脳会談で「元慰安婦に申し訳ないという気持ちでいっぱいだ」との考えを当時のブッシュ大統領に伝えていたことを認めた。首相は「会談ではこの問題は出ていない」などと答弁しているが、発言を認めた政府答弁書を踏襲した格好だ。

 「申し訳ない」発言をめぐっては、17日に閣議決定した答弁書で「首脳会談における首相の説明」としていたが、首相は20日の参院決算委員会で「共同記者会見で述べたことだ」として首脳会談での発言を否定。

 だが、菅官房長官は22日の会見で「首脳会談前日の議会関係者との会談でこうした話をした、ということをブッシュ大統領にも説明した」と明らかにした。

昨日に下記エントリをあげたばかりで、さすがに唖然とした。
第二次安倍内閣に対する最大の敵は安倍晋三首相自身の歴史観 - 法華狼の日記

一貫性を感じることがひとつだけある。日本国内で面と向かって問われた時、謝罪をしてないと答える点だ。どうやら一人の時は気が強くなり、自分が元慰安婦へ謝った過去を否定してしまうらしい。

自分一人では謝ることができず、かわりの人間に謝らせる。かつて安倍首相は「政界のプリンス」などといわれていたが、ここまでくると悪い意味で「おぼっちゃん」な性格だなあ、と思わざるをえなかった。
事務方や官房長官が尻ふきしてくれてようやく格好がついている状況なのだから、そもそも現状では首相なんて存在しなくてもいいのでは、とも思う。


いずれにせよ、人々が注目している場で謝ることが心理的に難しいというだけなら、共感できなくもない。しかし一国の首相がそれでは困る。いわゆる政治家の腹芸という基準で考えようとも、幼稚すぎて傷を広げるだけの嘘でしかない……まあ、歴史認識問題になると、自著の記述を否認した中曽根康弘元首相をはじめとして、幼稚な嘘をつく政治家が全体的に多すぎるが。国内外を問わず。